2019年10月8日火曜日

マナランプデッキの隆盛――スタン環境を支配する、《死者の原野》と《不屈の巡礼者、ゴロス》

圧巻だった。

アメリカで行われた新環境大規模トーナメントであるSCGオープンベスト8中、7名。

チーム戦とはいえ、7/8の入賞率。

MOCS予選では14名/32位。

日本で行われた環境初陣戦では、ベスト8に0人。とはいえ、8名/32位という割合を占めている。

そう――ゴロス原野だ。

このデッキのこのカード……あかんやつである。


禁止改定なんにもなしとか、あかんやつやーん。












アグロもコントロールも死滅し、重ミッドレンジ――いや、土地コンボデッキともいえるゴロス原野が環境を圧巻している。

元々、前環境より地力の高いデッキではあったが、どうしてそうなったのだろうか。

まず、現環境の試金石となったスタンダード2020――猛威を振るったアグロデッキの一つ、ラクドスアグロである。

ゴロス原野はアグロデッキを若干苦手にしており、このデッキの隆盛により環境から姿を消すかと想像していたが、そうはならなかった。

環境初期――常ならば、一躍トップメタに躍り出るアグロデッキの姿はなかった。

エルドレインによりもたらされた緑の食物戦略に押さえつけられてしまったのだ。

そう、シミックフードである。

前にも記事にしたが、新PWである《王冠泥棒、オーコ》が環境を定義づけるカードの一つというのは、是非を問わない事柄だろう。

《王冠泥棒、オーコ》がスタン環境を定義しそう

現実世界ではプレリリース期間な『エルドレインの王権』。 アリーナやMOといった電脳世界では既に正式リリースが行われています。 - Yuta Takahashi (@Vendilion) 2019年9月26日 オーコの「+1」、能力の強さ的に「-1」の書き間違えだよね。ランカー並のやらかしの可能性大。 - Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2019年9月28日 -

そして、そのPWを中心とした強固な食物ライン――《金のガチョウ》+《王冠泥棒、オーコ》+《意地悪な狼》という戦略は、強烈なアグロキラーとなった。

ライフゲインを果たす食物トークンと、それを除去/除去耐性に費やすことが可能な《意地悪な狼》は、現環境における《火炎舌のカヴー》であり、死なない《ブラストダーム》だ。

そこに《世界を揺るがす者、ニッサ》と《ハイドロイド混成体》というラヴニカの強烈なコンボが加わるのだから、アグロ側が打ち崩すのは容易ではない状況となる。

環境初期におけるアグロデッキの隆盛は確かに起こった――スタンダード2020の話だが、シミックフードが登場して早々に鎮圧してしまった。

そうなると、シミックフードが環境を制するかと思われるが、前環境より存在する土地コンボデッキが待ったをかけたのである。

ゴロス原野だ。

LSVのGP優勝という華々しい登場を果たした原野デッキだが、前環境末期は存在感が薄かった。

というのも、4Cケシスという、より早いコンボデッキが環境に姿を現したため、存在意義を失ってしまったのだ。

最速4ターン目に《風景の変容》を唱えられるとはいえ、4Cケシスであれば4ターン目には安定してコンボが決まるのだ。趣味の範疇のデッキと言えるだろう。

しかし、ネクサスと共に4Cケシスが環境より消え失せた今、最重量級デッキとして、ミッドレンジデッキを駆逐することに成功してしまったのだ。

上記の食物ラインは、ゴロス原野にはほとんど無意味。《世界を揺るがす者、ニッサ》と《王冠泥棒、オーコ》による速攻が肝だが、それもゾンビトークンの群れには無力となる。

MTGの理として、ミッドレンジ戦略はコンボデッキやランプデッキに相性が悪くなる。現環境も、その理を今のところ違えてはいない。

【バントゴロスランプ】

クリーチャー:13枚
3:《樹上の草食獣》
4:《不屈の巡礼者、ゴロス》
3:《ハイドロイド混成体》
1:《王国まといの巨人》
2:《裏切りの工作員》

呪文:18枚
4:《成長のらせん》
4:《むかしむかし》
4:《時を解す者、テフェリー》
4:《迂回路》
2:《時の一掃》

土地:29枚
2:《寺院の庭》
2:《繁殖池》
1:《疾病の神殿》
1:《神秘の神殿》
1:《平穏な入り江》
1:《花咲く砂地》
1:《ヴァントレス城》
2:《寓話の小道》
1:《アゾリウスのギルド門》
1:《ボロスのギルド門》
1:《ゴルガリのギルド門》
1:《オルゾフのギルド門》
1:《セレズニアのギルド門》
1:《シミックのギルド門》
1:《調和の公有地》
2:《森》
2:《島》
1:《平地》

サイドボード
2:《夏の帳》
4:《敬虔な命令》
2:《軽蔑的な一撃》
2:《拘留代理人》
1:《王国まといの巨人》
1:《狼の友、トルシミール》
2:《次元の浄化》
1:《裏切りの工作員》


同じコンボデッキの範疇に、現環境では《創案の火》デッキが存在する。

しかし、構造が悪い。《創案の火》デッキはあくまでランプデッキの一種であり、非常に大振りである。キーパーツの《創案の火》により、ジェスカイカラーで組まれることが大いにも関わらず、カウンターが有効に使えないのだ。

また、《不屈の巡礼者、ゴロス》と《ハイドロイド混成体》という環境屈指のヘビーカード群により、カードの叩きつけに勝利し、駆逐に成功してしまった。

《創案の火》側が、ゴロス原野を使用しようとしている始末である。それも問題で、《死者の原野》と《不屈の巡礼者、ゴロス》は土地を伸ばすデッキであれば採用するべきコンビであり、環境の多様性を歪めてしまっている。

元来、土地コンボという邪魔し辛い戦略なため、コントロールを駆逐に成功。スタン落ちで、土地を咎める――《廃墟の地》が落ちたのも追い風である。《死者の原野》も《不屈の巡礼者、ゴロス》も、通常のコントロールでは阻害しきれない。前者は置くだけでいいし、後者は場に着地刷すれば概ね仕事は終わっている。

《時を解す者、テフェリー》+《城まといの巨人》等の各種ラスゴによりアグロの駆逐に成功。

そう、アグロが苦手と言ったが、現環境のアグロデッキはまだコマ不足であり、《樹上の草食獣》+《時を解す者、テフェリー》+各種ラスゴという動きを打破できないのだ。

当然のように鎮座する《ハイドロイド混成体》もまた、アグロに強いカードである。

結局、ゴロスを狩れるのはゴロス。

――つまり、現状最高峰のデッキとなってしまった。

その結果が、SCGベスト8中7名という驚異の入賞率。

これは……?


今回の禁止改定が変更なしということで、しばらくスタンはまずいことになるかもしれない。

イクサラン~2019のスタン落ちにより、アグロとコントロールを支えていたカードが消滅したため、現環境の膠着が始まってしまっているのではないだろうか。

《不屈の巡礼者、ゴロス》も、《隠された手、ケシス》同様に1枚コンボカードであり、マナさえあれば無限のアドバンテージを生み出す。

場に出たときに、デッキのもう一つの要である《死者の原野》を引っ張ってくるサーチカードであり、7マナでトップ3枚を捲って唱えられるアドバンテージ力は、無茶苦茶である。

それが無色5マナと破格の性能。

《むかしむかし》の収録もよろしくなく、《エルフの再生者》の穴を埋め、出来事カードの登場によりむしろ強化してしまった。

何かしらのコンボデッキがあれば、ゴロス原野を咎められるのだが?

《裏切り者の工作員》を《模写》し続けるデッキは、原野デッキに強いですが、アグロ耐性に難がある。

ゴロス原野合戦で勝ちたいなら、《暗殺者の戦利品》と《戦争の犠牲》をとれるスゥルタイゴロス原野も一つの選択肢といえるだろう

もちろん、スゥルタイ原野を使って――平日大会で負けてきた。

《不屈の巡礼者、ゴロス》抜きの原野デッキは現状困難。《風景の変容》レス原野デッキは存在しましたが、ゴロスレス原野はデッキとして意味がない(当然)。


BMOどうすんだ……あと、台風よぉ→当然の中止。

0 件のコメント:

コメントを投稿