2019年10月15日火曜日

ミシックチャンピオンシップⅤの全参加者全デッキ公開

今週末に米国ロングビーチで行われるミシックチャンピオンシップⅤ。

優勝賞金10万ドルと、テーブルMTGよりも高い賞金を懸けて実施されるアリーナの一大イベント、その全デッキリストが公開された。


今回は日本人プレイヤーのデッキを中心に紹介。

10/21の禁止改定を前に、トッププレイヤー達はどんなデッキを選んだのだろうか。


……シミックチャンピオンシップかな?(ネタバレ)









バントゴロスが23名/68名。

創案の火型ゴロスが5/68名。

日本人中心といったが、このデッキに触れないわけにはいかないだろう。

ゴロス原野を選んだのは28名/68名と、全プレイヤー中42.2%を占めた……創案の火型ゴロスの割合、7.4%の間違いなので41.2%である。



マナランプデッキの隆盛――スタン環境を支配する、《死者の原野》と《不屈の巡礼者、ゴロス》

アグロもコントロールも死滅し、重ミッドレンジ――いや、土地コンボデッキともいえるゴロス原野が環境を圧巻している。


トッププレイヤーが集うPTにおいて、4割の占有率は尋常ではない。


【バントゴロス-Brad Nelson-】

クリーチャー:15枚
3《樹上の草食獣》
3《ハイドロイド混成体》
4《不屈の巡礼者、ゴロス》
1《帰還した王、ケンリス》
2《裏切りの工作員》
1《豆の木の巨人》
1《王国まといの巨人》

呪文:16枚
4《成長のらせん》
4《むかしむかし》
2《時を解す者、テフェリー》
4《迂回路》
2《時の一掃》

土地:29枚
4《死者の原野》
2《繁殖池》
2《神聖なる泉》
2《寺院の庭》
1《アゾリウスのギルド門》
1《ボロスのギルド門》
1《ヴァントレス城》
1《ゴルガリのギルド門》
1《セレズニアのギルド門》
1《シミックのギルド門》
2《寓話の小道》
1《調和の公有地》
1《疾病の神殿》
1《神秘の神殿》
1《花咲く砂地》
1《茨森の滝》
1《平穏な入り江》
2《森》
2《島》
1《平地》

サイドボード
2《夏の帳》
3《敬虔な命令》
1《霊気の疾風》
2《夢を引き裂く者、アショク》
2《拘留代理人》
2《神秘の論争》
2《狼の友、トルシミール》
1《裏切りの工作員》



【ゴロス・ファイアー-Autumn Burchett-】

クリーチャー:16枚
4《願いのフェイ》
3《ハイドロイド混成体》
3《不屈の巡礼者、ゴロス》
2《帰還した王、ケンリス》
3《豆の木の巨人》
1《裏切りの工作員》

呪文:16枚
4《成長のらせん》
4《轟音のクラリオン》
4《迂回路》
4《創案の火》
1《時の一掃》

土地:28枚
4《死者の原野》
2《繁殖池》
2《踏み鳴らされる地》
1《蒸気孔》
1《寺院の庭》
1《神聖なる泉》
1《アゾリウスのギルド門》
1《ボロスのギルド門》
1《ゴルガリのギルド門》
1《セレズニアのギルド門》
1《シミックのギルド門》
1《天啓の神殿》
1《神秘の神殿》
1《茨森の滝》
3《寓話の小道》
2《島》
1《森》
1《山》
1《平地》
1《沼》

サイドボード
2《敬虔な命令》
1《栄光の好機》
1《王冠泥棒、オーコ》
1《牢獄領域》
1《時を解す者、テフェリー》
1《漂流自我》
2《時の一掃》
1《龍神、ニコル・ボーラス》
1《呼応した呼集》
1《戦争の犠牲》
1《次元の浄化》
1《裏切りの工作員》
1《次元を挙げた祝賀》 

【ゴロス・ファイアー】のサイドの適当さに笑うし、そんなデッキが無茶苦茶強いのにも笑う。


そう、《龍神、ニコル・ボーラス》を使用したこれこそがグリクシス(?)。

ゴロス原野の強さに関しては、あらためて言う必要はないだろう。

《不屈の巡礼者、ゴロス》をプレイした時点で、盤面は王手になる。対戦相手は、《不屈の巡礼者、ゴロス》を対処しなければ、7マナビームが飛んでくる。かといって、それにかまけていると、土地からゾンビが湧いてくる。

5マナに達したら詰みというのは、結構なコンボデッキだ。

第二勢力につけたのが、現環境ミッドレンジの筆頭格である【シミックフード】だ。

《王冠泥棒、オーコ》がスタン環境を定義しそう

現実世界ではプレリリース期間な『エルドレインの王権』。 アリーナやMOといった電脳世界では既に正式リリースが行われています。 - Yuta Takahashi (@Vendilion) 2019年9月26日 オーコの「+1」、能力の強さ的に「-1」の書き間違えだよね。ランカー並のやらかしの可能性大。 - Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2019年9月28日 -

ミッドレンジという特性上、土地コンボデッキであるバントゴロスとは相性が悪いのだが、ブレイクスルーとなりうるカードの発見により第二勢力につけている。

【シミック・食物-Reid Duke-】

クリーチャー:20枚
4《金のガチョウ》
2《枝葉族のドルイド》
1《マラリーフのピクシー》
1《楽園のドルイド》
4《ハイドロイド混成体》
4《探索する獣》
4《意地悪な狼》

呪文:16枚
4《軽蔑的な一撃》
4《むかしむかし》
4《王冠泥棒、オーコ》
4《世界を揺るがす者、ニッサ》

土地:24枚
4 《繁殖池》
4 《神秘の神殿》
1 《ギャレンブリグ城》
10 《森》
5 《島》

サイドボード
2《夏の帳》
3《霊気の疾風》
4《大食のハイドラ》
3《恋煩いの野獣》
3《神秘の論争》 




《軽蔑的な一撃》4枚採用。

現環境においては、《創案の火》、《迂回路》、各種ラスゴ、《不屈の巡礼者、ゴロス》、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》、《ハイドロイド混成体》、《探索する獣》等々対象に暇がなく、そのどれもが解決した瞬間に盤面が大きく傾くスペルである。

そして、カウンターに弱いという特性がある。現状、アグロとコントロールが死滅し、ミッドレンジとマナランプデッキしか存在しない。そんな大振り環境に置いて、カウンター呪文は大いに刺さる。

このカード、環境初期にメイン軽蔑は狂ってる^^ と煽った結果がこれである。

やはり見る目がないようだ。

環境最高のカウンターは《軽蔑的な一撃》。

反省。

この場を借りてお詫び申し上げます^^

【シミック・食物-市川・八十岡・佐藤-】

クリーチャー:19枚
4《金のガチョウ》
4《楽園のドルイド》
4《ハイドロイド混成体》
2《大食のハイドラ》
4《意地悪な狼》
1《裏切りの工作員》

呪文:15枚
4《成長のらせん》
2《軽蔑的な一撃》
1《霊気の疾風》
4《王冠泥棒、オーコ》
4《世界を揺るがす者、ニッサ》

土地:26枚
4《繁殖池》
4《神秘の神殿》
2《ギャレンブリグ城》
2《ヴァントレス城》
9《森》
5《島》

サイドボード
3《夏の帳》
2《霊気の疾風》
2《軽蔑的な一撃》
2《神秘の論争》
2《大食のハイドラ》
3《探索する獣》
1《伝承の収集者、タミヨウ》

今MCでは、上述の《むかしむかし》・《軽蔑的な一撃》4枚採用型の【シミック・食物】と、もう1チーム――チームサイゲームスが構築した【シミック・食物】が存在する。

市川プロ、八十岡プロ、佐藤プロの三人が選択しており、《軽蔑的な一撃》も採用されているが、その特徴は《成長のらせん》の4枚採用だろう。

《楽園のドルイド》は必須だが、もう一枠マナブーストを採用するとなると、現環境のマナクリーチャーはどれも一長一短でぱっとしなかった。

《培養ドルイド》は《砕骨の巨人》に弱く、タフネス3の《枝葉のドルイド》は《意地悪な狼》に耐えられず、そもそもマナ以外の役割がない。《マラリーフのピクシー》はアグロ気味では有用だが、ミッドレンジ戦略とは噛み合わない。

無駄にならないマナ加速――《むかしむかし》や《樹上の草食獣》は下振れが多いため不可。

そうなると、チームサイゲームスが選んだ《成長のらせん》は、堅実さが光る良い選択である。

土地の枚数が増えた分だけ、能力付き土地を増やしているのも好印象である。

【シミック・食物】の亜種ともいえる【バント・ランプ】ともども、どこまで勢力図を伸ばせるだろうか。



第三勢力に位置付けているのが【ゴルガリ・アドベンチャー】。

MPLサファイアリーグ優勝はゴルガリアドベンチャーのPiotr'kanister'Głogowskiプロ!

佐藤レイプロを含むMPLサファイアリーグプレイオフは、タケコプターの人でお馴染み、ゴルガリアドベンチャーをかるPiotr'kanister'Głogowskiプロが制しました。

《エッジ・ウォールの亭主》から始まる、かの【親和エルフ】のような爆発力は驚異の一言である。

【ゴルガリアドベンチャー-瀬尾武史-】

クリーチャー:32枚
4《エッジウォールの亭主》
4《穢れ沼の騎士》
3《漆黒軍の騎士》
1《亜麻色の侵入者》
4《黒槍の模範》
4《真夜中の騎士団》
4《恋に落ちた剣士》
4《真夜中の死神》
4《残忍な騎士》

呪文:8枚
4《幸運のクローバー》
4《むかしむかし》

土地:20枚
4《草むした墓》
2《寓話の小道》
1《ロークスワイン城》
9《沼》
4《森》

サイドボード
2《見栄え損ない》
3《害悪な掌握》
2《暗殺者の戦利品》
2《軍団の最期》
4《ドリルビット》
2《夢を引き裂く者、アショク》

《探索する獣》や《悪ふざけの名人、ランクル》を入れたミッドレンジ気味のゴルガリアドベンチャーが多い中、瀬尾さんは《幸運のクローバー》まで投入した爆発力重視のタイプを持ち込んでいる。

この選択が吉とでるか。

接死クリーチャーやその爆発的なアドバンテージで、【シミック・食物】には強いデッキだが。

以下、Stanislav CifkaやMartin Jůza、Grzegorz Kowalskiの同一チーム(シェアハウス中)が持ち込んだバントランプやグルールアグロの姿が見える。



環境は緑に染まり、緑を使用していないプレイヤーは僅かに6名。



現環境の緑の優遇っぷりがよくわかる。


非緑使用プレイヤーの中では行弘賢プロに注目だろう。

【マルドゥ騎士-行弘賢-】

クリーチャー:28枚
4《熱烈な勇者》
4《漆黒軍の騎士》
4《黒槍の模範》
4《鼓舞する古参》
4《リムロックの騎士》
4《評判高い挑戦者》
4《朽ちゆくレギサウルス》

呪文:8枚
4《鋼爪の槍》
4《エンバレスの宝剣》

土地:24枚
4《血の墓所》
4《神無き祭殿》
4《聖なる鋳造所》
4《試合場》
5《山》
3《沼》

サイドボード
4《アングラスの暴力》
4《軍団の最期》
4《害悪な掌握》
3《栄光の好機》

1枚ティムールバトルレイジこと《エンバレスの宝剣》は火を噴くのだろうか。



メタゲーム上、緑に支配されているように見えるスタンダード環境。

ランプ・ミッドレンジ・アドベンチャーと多様なデッキの根幹を緑が担っているのだから、当然といえば当然だろう。今回は姿を見せなかったが、クロックパーミッションまで緑なのだ。

この結果を踏まえ、禁止改定はどう動くのだろうか。

日本人勢の活躍や如何に?

では、また。

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