2019年8月19日月曜日

MCQアリーナにて新コンボデッキ登場! 4Cケシスとその長所/短所

基本セット2020発売後、スタン環境はバントスケープシフトと白黒吸血鬼の二大巨頭に支配されたかに思われた。

エスパーコントロール、ジャンドダイナソー、フラッシュにエレメンタル、ネクサスと、各種デッキは存在するものの、盤石ともいえる2大デッキという印象だった。

そして迎えたMCQアリーナ予選。

初日突破には8-2以上の成績が必要かつ2敗した時点で大会は終了。2日目は128名の中から上位16名という苛烈なトーナメントである。










その突破者の内訳は!?

白黒吸血鬼:5名
バントスケープシフト:4名
ボロスフェザー:4名
緑単アグロ:1名
4Cケシス:2名

……4Cケシス?

4Cスケシの間違いかな?













【4Cケシス-MCQアリーナ通過-】

クリーチャー:16枚
4《精励する発掘者》
4《迷い子、フブルスプ》
4《万面相、ラザーヴ》
4《隠された手、ケシス》

呪文:19枚
4《モックス・アンバー》
4《ケイヤの誓い》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
2《ウルザの殲滅破》
4《時を解す者、テフェリー》
2《夢を引き裂く者、アショク》

土地:25枚
1《水没した地下墓地》
1《神無き祭殿》
1《神秘の神殿》
2《寺院の庭》
3《氷河の城砦》
3《神聖なる泉》
3《疾病の神殿》
3《静寂の神殿》
4《繁殖池》
4《湿った墓》

サイドボード
1《古呪》
2《紺碧のドレイク》
2《軍団の最期》
1《夢を引き裂く者、アショク》
2《漂流自我》
1《伝承の収集者、タミヨウ》
1:《神秘を操る者、ジェイス》
2:《祖神の使徒、テシャール》
1:《ウルザの殲滅破》
1:《狼の友、トルシミール》
1:《不滅の太陽》


デッキ名からもわかる通り、このカード――スケシではなくケシスが悪いことをするコンボデッキだ。

予選突破者――いや、アリーナMCQ予選初日において、10-0の配信がなされた時点で、一際異彩を放つデッキは世界中のMTGプレイヤーの話題となったのである。



相方はドミナリアの地味カード、《精励する発掘者》。

《精励する発掘者》や《伝承の収集者、タミヨウ》で墓地を肥し、十分な歴史的な呪文が貯まった状態で《隠された手、ケシス》の能力を起動し、コンボスタート。

《精励する発掘者》と土地以外は全て伝説カードなので、大量にあるはずだ。

《モックス・アンバー》を戦場⇔墓地で循環させてマナを増やし、軽くなった伝説パーマネントでさらにライブラリーを掘り進め、十分なチェインが可能になった時点で《精励する発掘者》の能力を対戦相手に使えばライブラリーアウト勝ちとなる。

秀逸なのは、このコンボを阻害することが困難な点だ。

キーパーツである《隠された手、ケシス》をインスタントタイミングで除去できるカードが環境にほとんど存在しないのである。

《屈辱》や《ヴラスカの侮辱》は、バントスケープシフトと白黒吸血鬼相手に弱いため、メインの数を減らしているのである。

このデッキは、多数のPWを採用することでアドバンテージを稼いでいくため、コントロール寄りのミッドレンジの動きをとることができる。《時を解す者、テフェリー》が除去を構えた相手をあざ笑い、《伝承の収集者、タミヨウ》は墓地と手札を肥やしていく。《ウルザの殲滅波》も、ミッドレンジプランを推し進める。

コンボを阻害するテフェリーよりも、コンボを補助するテフェリーの方が強いって、スケシが言ってたから。











同時多発的に有名プレイヤーが使い始める。

まさに大ケシス時代。

2日目に進出した4名のうち、2人が予選突破という素晴らしい成績である。



この記事が一番まとまっている。

かってのサイストームやアイアンワークス、そしてアブザンカンパニーのようにガチャガチャするコンボデッキである。

このデッキの長所は、ケシスによる1枚コンボであり、墓地が豊富であれば、どんな局面からでも捲れる可能性がある点がまずあげられる。

ライフが1点?

ケシスがいれば勝ちだ。

ハンドがない?

ケシスを引けば勝ちだ。

ケシスを引かなかった?

墓地にいればラザーヴで勝ちだ。なければ諦めよう。

環境2大トップに勝てるデッキなのも大きい。

スケシ相手には、戦略上、相手が山札を圧縮するデッキメインなためライブラリーアウトが勝ちに繋がる。

《夢を引き裂く者、アショク》をメインに搭載しているため、サーチを許さない点でスケープシフト相手に強いカードだ。そもそも、サイド枠として見直されたカードがメインにいるのだから、強いのは当たり前だろう。


さらにいえば、コンボ対決はkill速度が勝負の決め手になる。

スケープシフトは、最速5ターンKILL。

ケシスは最速4KILLだ。

吸血鬼相手にも、このデッキは強い。

肉が多数搭載されているのがその理由である。

2マナ圏にはラザーヴ、フブルスプ、発掘者と、微妙に固いクリーチャー陣が揃っている。ケシスの3/3/4という標準以上のスタッツも強い。

スケープシフトと違い、クリーチャー陣で身を守ることに長けているため、吸血鬼の直線的な攻撃では間に合わないのだ。

除去で捌かれると辛いのだが、吸血鬼の持つ除去は《喪心》、《軍勢の最後》、《屈辱》と、微妙に重かったり範囲が限られたりするため、効果的に働かないのだ。

《ウルザの殲滅波》は、このマッチアップにおける最強全体除去だ。4Cケシス側は、4ターンに容易にうつことが可能であり、一度決まると吸血鬼側の立て直しは容易ではない。

そのため、環境2大巨頭に有利がつく凄まじいデッキとなっている。

弱点は、赤単アグロだろう。吸血鬼と同じアグロだが、赤単には《稲妻の一撃》と《魔術師の稲妻》という軽い除去があり、壁が壁として仕事をしない。

2マナ圏の壁は、同時にコンボ要員なため、除去られるとコンボが成立しない。その間に、殴り切られてしまう。

高速アグロand軽量除去は、4Cケシスの弱点だろう。

《ケイヤの誓い》という最強除去があるため、案外になんとかなってしまうという話もある。

プレイがややこしいが、好きな人は好きなデッキだろう。

前環境に少しだけあったティシャール・コンボと同一視されたり強化版と見る向きもあるが、全く違うように感じる。

構築の理論が、あまり似ていないのだ。どちらかというと、ケシス絡みのコンボを突き詰めると、入れてもいいかと気づいたぐらいのものではないだろうか。それは、サイドボードに《祖神の使徒、ティシャール》が落ちていることからも見て取れる。



本当に、どうやってこの美しいともいえるメインに辿り着いたのだろうか。マナベースは改善の余地がありそうだが、メインボードは綺麗の一言である。

またモックスアンバーを買いなおさないといけないのか……。

※パーツ買いました^^

大会持っていきました。

色々な盤面からコンボが決まって楽しかったです(小並感)。

アブザンラリーやアブザンカンパニーのような使用感。

デッキのほとんどがアドをとり(このデッキのアドは、=手札or墓地だ)、回しやすい。



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