台風がくるギリギリ前に行ったのが、地元和歌山が誇る世界遺産――熊野古道である。
楽しい――わけではなく、眺望もないし胴切坂で高山病かハンガーノックになってるし、距離は長いしで、大変な道である。
蟻の熊野詣とはよく言ったものだが、平安時代の貴族達は、よくもこのような道をと感心する。
とはいえ、黒部の山賊たちが跳梁跋扈したアルプスと比べると、大変楽な道だろう。
それに、向かう先は、当時の熊野信仰の中心たる速玉/那智/本宮の三大社である。
溺れる者は藁にも縋るではないが、人々はこぞって参拝したのだろうか。
今はもう、往時の賑わいは望むべくもない状況だ。
世界遺産の選定により、賑わうかとも思ったが、今の地元にはそれを活かす術はなかったようだ。
トレイルランに絡めればとも思うし、三重や北部ではそれを行っている。
かって、参加者4名から十年がかりで百人以上の参加者が集まったマラソン大会があったようなのだが、休憩所の記事から察するに、世界遺産選定前後から行われていないようだ。
とまあ、思うところは色々あるのだが――旅路自体は満足感のあるものなので、概ね問題ないのだろう。
苔むした場所が好きである。
イモリいっぱいいたし。
那智の滝だって、毎回圧倒される。
地元に住んでいた時は、ほとんど足を運んだことのない場所だが、離れてこそ良さがわかるというものなのだろうか。
数年ぶりの熊野古道だったが、やはりいいのだ。
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