今回は宣言されていたように多色土地は収録されず、タップイン制限のある能力持ちランドのサイクルが登場した。
エルドレインの5つの王国の城サイクルであり、伝説ではないのは各王国に城は無数にあるからだろう。
白はトークン生成、赤は全体+1/+0修正、黒はライフルーズ付きドローで青は占術2と、強力な能力の持ち主だ。
アンタップインの条件も緩めであり、単色デッキであれば問答無用で4枚投入できるだろう。
赤単で《エンバレス城》を4枚投入しない構築は考えづらい。
土地は、序盤こそ絶対に必要だが、ターンが進行するに従い不要牌となっていく。土地はあっても唱えるカードがない――MTGあるあるなマナ・フラッドだ。
しかし、このカード群は、マナフラッドを緩和してくれるうえ、序盤の動きも阻害しにくいといたせり尽くせりである。
起動コストはマナのみであり、使い減りしないリソースなのだ。
禁止カードになった《ラムナプの遺跡》を例にするまでもなく、能力持ちの土地――しかも繰り返し使用可能――は、強力カードなことが多い。
あ、緑はゴミ。
【翻訳記事】 デッキに欠かせない「土地」。クインが土地の基本を語り、よりよい選択を行うための戦略を3つの観点から考察。『エルドレインの王権』で登場する新しい土地をプレビューします。 『カラー、コスト、テンポ:より良い城の構築』 https://t.co/Kzbse9Rw75 #mtgjp #MTGEldraine— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2019年9月17日
強力カードの多い【エルドレインの王権】であるが、難点が一つある。
マナベースの弱体化が避けられない点だ。
能力付きのレア土地サイクルが来たことで、次期環境のマナベースは概ね出そろってしまったといえるだろう。
確かに、今回登場した城土地は強力なのだが、マナフラッドは緩和するものの、マナソースとしてはあくまで基本土地同様の役割しかもたないのである。
単色ならば問題ない――裏を返せば、多色デッキは問題ありだ。
マナソース警察が頭を抱える時代が、すぐ目の前に来ているのである。
現環境のマナベースに関して言えば、
・基本土地
・M10ランド(友好色+対抗色)
・ショックランド(友好色+対抗色)
・占術ランド(対抗色のみ)
で概ね構成されている。
《死者の原野》という特異点はあるが、この4種類の土地で、マナベースを構築している。
そして、【エルドレインの王権】後、M10ランドが全てスタン落ちする。
その結果、
・基本土地
・ショックランド(友好色+対抗色)
・占術ランド(対抗色のみ)
マナベースは大きく弱体化する。
特に友好色は顕著であり、基本土地+ショックインランドのみである。
もし赤緑均等2色のデッキで土地24枚だとすると、
10:《森》
10:《山》
4:《踏み鳴らされる地》
このような形で赤/緑のマナソースは14/14と、心もとない数字になる。
超簡単にマナベース計算できちゃう早見表を作ってみた | 記事
■ はじめに みなさんは、1ターン目にをプレイするために必要な黒マナの枚数をご存知でしょうか?または、2ターン目にを構えるには青マナはデッキに何枚必要なのでしょうか? ...
若干古い記事になるが、この記事の定義に従えば、シングルシンボルのカードは問題ないが、ダブルシンボルのカードに関しては大いに問題があるマナベースということだ。
最適なマナベースを作ろう! ~4色ケシス編~ | 記事
お久しぶりです。Hareruya Hopesの 浦瀬 亮佑 です。 実は自分は昔からいわゆる 「マナベース警察」をやっていまして、今回は 難解だと言われる4色ケシスのマナベースを一から真面目に考えてみたい と思います。 一応実績を書いておくと、もう4年も前になりますが、 瀧村 和幸さんがプロツアー『戦乱のゼンディカー』で優勝された際に使用していた ...
4Cケシスを日本選手権に持ち込んだ際に参考にした記事の方が、かなり難しい……。
と、話が逸れた。ショックランドのみのマナベースは不安が残る。となると、他に使用できるのはM20のゲイン付きタップインランドと門サイクルだ。どちらも確定タップインなため、アグロでは使用し辛い。
序盤の動きが大事なアグロデッキが確定タップインしているなんて、意味がわからない。
対抗色に関して言えば、占術ランドによりマナベースは随分とましになる。
対抗均等2色――黒緑では、こうなる。
8:森
8:沼
4:《草生した墓》
4:《疫病の神殿》
マナソースは16/16と、少し改善した。何より、占術ランドの恩恵が大きく、マナソースかつ序盤/中盤/終盤の動きを安定させる貴重なカードである。
ドローのみのカードは使用に難があるが、ドロー+何かが出来ると、そのカードは壊れになる。
現環境でいえば、《思考消去》が2ターン目最強の動きと言えるのも、そのためである。
さて、2色からさらに視野を広げ、3色に触れていこう。
MTGにおける3色は、アラーラで掘り下げられた1色+友好2色による弧と、タルキールで掘り下げられた1色+対抗2色による楔の2種類の組み合わせが存在する。
楔のデベロップ|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru 2014年8月29日 ...
弧:グリクシス(赤黒青)・エスパー(青黒白)・ナヤ(赤緑白)・ジャンド(赤黒緑)・バント(青緑白)
楔:ジェスカイ(赤青白)・ティムール(赤緑青)・マルドゥ(赤黒白)・アブザン(緑黒白)・スゥルタイ(青緑黒)
楔のマナベースに関していえば、占術ランドを2種類採用できるため、まだ強力さを保っている。
・ショックランド12枚
・占術ランド8枚
・その他
ショックランド+占術ランドで、マナソースは16/12/12。それでも不足しているため、調整は必要だろう。
悲惨なのは、弧である。
ショックランド+占術ランドだけでは、マナベースに限界がある。確定タップインランドを投入しないと回らないはずだ。
・ショックランド12枚
・占術ランド4枚
・その他
侘しい。
では、3色は組めないのだろうか。
いや、そんなことはないだろう。
マルドゥに関していえば、騎士専用のアンタップインランドが収録されたため、まだ未来がある。
そして、PWデッキ――《次元間の標》という専用5色ランドがあるため、逆にマナベースは潤沢になる例もある。
現環境のPWデッキの筆頭たるジェスカイPWであれば、
4:《聖なる鋳造所》
4:《神聖な泉》
4:《蒸気孔》
4:《凱旋の神殿》
4:《天啓の神殿》
4:《次元間の標》
これで、赤/青/白のマナソースが、16(20)/12(16)/12(16)――()内は《次元間の標》含む――と、かなり実用的なマナベースになる。
もちろん、PWのみではあるが、ないよりはましだろう。
赤青の新PWとして、《王家の跡継ぎ》という小回りの利くPWが登場するため、ジェスカイPWは環境を圧巻するかもしれない。
サンプルデッキを記して、今回の記事を終わりにする。
出来事スペルを多めに入れた、ジェスカイPWだ。
しかし、このマナベース事情――どうなる、ボーラス様FAN倶楽部!?
《次期環境ジェスカイPW》
クリーチャー:8枚
2:《谷の商人》
4:《砕骨の巨人》
2:《王国まといの巨人》
呪文:26枚
2:《溶岩コイル》
4:《轟音のクラリオン》
4:《王家の跡継ぎ》
4:《覆いを割く者、ナーセット》
4:《時を解す者、テフェリー》
2:《謎めいた指導者、カズミナ》
4:《主無き者、サルカン》
2:《目覚めた猛火、チャンドラ》
土地:26枚
4:《聖なる鋳造所》
4:《神聖な泉》
4:《蒸気孔》
4:《凱旋の神殿》
4:《天啓の神殿》
4:《次元間の標》
1:《アーデンベイル城》
1:《ヴァントレス城》
コアセット2020のタップインデュアルランド(1点ゲイン付き)を考慮してないのはさすがにザルなのでは?
返信削除スタンでは過去にも青黒コントロールなどで普通に使われてました。
ご指摘、ありがとうございます^^
返信削除青黒ドラゴンの記事やINV期のスタンを久々に引っ張り出して、懐かしく思いました。