行弘プロや井川プロも候補に入っていた本年度の殿堂投票。
終わってみれば94%と圧倒的な得票率、近年――いや、歴代殿堂プレイヤーの中で2位の得票率となった。
カイブッティが90.42%、渡辺雄也が90.31%、今回の得票率を上回っているのはチャネル総帥であるLSVプロの95.63%のみだ。
【お知らせ】2019年の殿堂顕彰者として、リード・デューク選手(@reidDuke)が選出されました!投票率94%越えの堂々たる結果です!おめでとうございます!#mtgjphttps://t.co/wEBpUO2QGF pic.twitter.com/3TBnFsHsTW— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2019年9月15日
直近のMPLリーグでは惜しくも敗れたが、世界最高峰プレイヤーの名に恥じないだろう。
Player Focus -リード・デューク- | 記事
by Jeremy Dezani Translated by Kenji Tsumura 原文はこちら (掲載日 2018/02/24) 「プレイヤーフォーカス」へようこそ! 「プレイヤーフォーカス」は、世界に名立たるマジックプレイヤーにインタビューする企画です。
10年間、トーナメントシーンの最前線で、鎬を削る。Thanks everybody. I don't have the words to express how thankful I am for the love and support that I get--not just today, but every day of my life--from my friends, teammates, and fans. I wouldn't have made it this far without you #mtghof— Reid Duke (@ReidDuke) 2019年9月14日
勝率55%が期待値といわれるMTGにおいて――世界中を旅しながら、最前線で戦い続けるのは容易な道ではない。
常人が真似しようとしても、簡単に出来るものではないだろう。
何せ、明日の保証は何もない、風来人なのだから。
2011年にMTGオンラインから現実世界にシフトし、そして今に至るわけだ。
競技MTGでは、10年以上――長い年月である。だが、過去を辿れば、MTG誕生に行きつくことが出来るわけで、このゲームも老舗になってきたといえるだろう。
世界最古のトレーディングカードゲームの名は、伊達ではない。
歴史があれば――多くのプレイヤーに愛されればこそ、このゲームから去って行った人間も多数存在する。
それは、家庭だったり、環境だったり、生業だったり、不意に襲い掛かった理不尽だったり、故人になったり、様々な要因である。
だが、プレイヤーの限界は、あまり聞いたことがない。
いわゆる、グレイビートレイン――レベル落ちにより、トーナメントに継続的に参加できないことで、実質引退となるプロプレイヤーはいるにはいる。
日本でも、赤好きのプレイヤーが引退表明していたが、あれはよくわからなかったし、多分今回の記事の趣旨とは違う話だろう。
競技シーンの一線を離れるとき、自身の実力に関して言うことは、少ない。
だが、MTGは、もちろん無作為ゲームの定めとして運の要素がどうしても絡んでしまうが、強いプレイヤーは基本強いというゲームではある。
その強さに、年齢による衰えはあるのだろうか?
人間の脳は、未知の領域があると盛んに言われているが、加齢による衰えは存在する。
人間の肉体と比べれば、それは緩やかなのかもしれないが、存在するのだ。
スポーツ選手は、自身の肉体と相談しながら、競技生命を判断する。
骨も、筋肉も、靭帯も、神経も、内臓も、全てを酷使し、時にはメスを入れ、時には過酷
なリハビリをし、プロ活動を行っている。
その一つの関門は、40歳だろう。
積み重ねた経験と、身体の軋みは、臨界点を徐々に越え、輝かしい競技人生を終止符に誘なっていく。
それは、生物としての進化と、DNAに刻み込まれた自己破壊の結果なのだ。
トレイルランという巡礼路:スコット・ジュレク『NORTH 北へ』を探検家・角幡唯介が読み解く|WIRED.jp
46日8時間7分──。それが、ウルトラトレイルのレジェンドと称されるスコット・ジュレクが新たに樹立した世界最速記録だ。総延長3,500kmにおよぶ北米アパラチアン・トレイルで繰り広げられた、己の肉体と精神の限界に挑む未知の領域への挑戦を描いたニューヨークタイムズ・ベストセラー『NORTH 北へ 〜アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道』を、探検家・角幡唯介はどう読んだのか? ...
NEVER #まだ終われない - トレイルランナー鏑木毅 UTMB® チャンレジプロジェクト
トレイルランナー 鏑木毅が50歳で再びUTMB® に挑む。彼の「決して終わらない挑戦」「決してなくならない情熱」「決して諦めない姿勢」を伝えるためのNEVERプロジェクトが始まる。
だが――老いと向き合い、簡単に諦めきれるほど、人は潔い生き物ではない。
北米のレジェンドたるスコット・ジュレクは40歳で3500kmのアバランチ・トレイルの最速記録に挑み、日本のレジェンドたる鏑木毅は50歳でトレイルランの最高峰であるUTMBに再度挑んだのだ。
では、頭脳ゲームはどうだろうか?
藤井旋風が巻き起こったのが記憶に新しい将棋の世界では、羽生善治プロが27年ぶりに無冠となっている。
彼は、48歳になった。
加藤一二三先生は、77歳で規定により現役を引退している。
将棋、麻雀、囲碁――老いを超越したかのような選手がいる。
MTGとこの3ゲームの違いは、環境の変化が激しさだろう。
3ゲームとも、使用される情報――リソースは、限局されている。
MTGは、常に変化する。それは、ウィザーズがカードを発行する限り、変わらないだろう。
去年と今年の環境は違う。
エターナル環境であっても、生物の生存競争宜しく、次々と変化していく。
ドラフトは、言うに及ばずだ。
プレイヤーとして、それにどこまで対応できるかが、一つの壁なのだろうと思う。
確か、50歳弱でのGP優勝が合ったはずだ。
今後、10代未満や60歳以上の優勝もありうるのだろう。
MTGというゲームは、本来、肉体要素は関係がない。所謂難病であっても、トーナメントへの参加は可能だ。
時には家族のサポートで、参加するプレイヤーもいる。
MTGアリーナの登場は、その敷居を下げたといっていいだろう。
とはいえ、海外勢は精力的に心身を鍛えている印象がある。
日本人競技者でも、高橋プロや井川プロや市川プロはやってるような。
年齢は、人類における一つのファクターである。
そして、それをどこまでコントロールできるかだろう。
齢を重ねることで、精神は頑迷になり、肉体は朽ちた大木のようになる。
自身を客観視することは難しく、何時しか若い自分が侮蔑した老いに触れそれでも気づくことなく過ごしていく。
精神の向かう先がなければ、人は前進をやめ、停滞していく。
それは満足なのか、空虚な諦念なのか、自身に訊いてもわからない部分だ。
何かのきっかけで、情熱を取り戻し、そうしてまた歩み始めることだってあるだろうし、その歩みの方法も多種多様なのだろう。
だから――10年という長い歳月を、MTGと自身の才能に賭け、世界を旅したリュード・デュークプロに、MTGの幸があらんことを。
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