2019年2月12日火曜日

【デッキテク】現時点でのスゥルタイミッドレンジのまとめ【環境王者】

ゴルガリミッドレンジあらため、《ハイドロイド混成体》を手に入れ環境のトップメタに君臨するスゥルタイミッドレンジ。



ティムール殻からスゥルタイミッドレンジに乗り換え、電脳世界でも現実世界でもこねくり回し、一応の納得いくレシピが完成したので現時点での集大成と知見をまとめていく。

アリーナはもとより、FNMにショーダウンと遊びに遊び――少し飽きてきたのでいったん離れ、今は別のデッキにシフトしている。

この2週間での成績は、

FNM:1-2

ショーダウン:1-2

FNM:2-1

ショーダウン:3-2

少し上振れてくるようになってきたが、勝ちきれないのは乗り手が悪いのか何なのか。

負けは、マナフラッドかマナスクリューがほとんどだ。

赤単相手に《翡翠光のレインジャー》×2回でも土地が3枚以上伸びずに《狂乱の実験》でもみくちゃにされ。

対戦相手の《正気泥棒》×2回+4ドローでそのほとんどが土地でリソースなく負けというのが3-2の内訳である。


アリーナでは、ひたすらトラディショナル構築で遊び、ほぼほぼ黒字で周回することが出来ている。

MTGは楽しい!(アリーナの操作性はまだまだ難があるよなー)

前回のスゥルタイミッドレンジの記事はこちら↓

【環境初陣戦】ゴルガリミッドレンジwithハイドラについての覚書【スゥルタイ】

「ラヴニカの献身」参入後初の大規模トーナメント、参加者217名を集めた 環境初陣戦 は、赤単アグロがその頂点を制しました。 環境初期にアグロが強いというのは定説ですね。 絢爛というキーワード能力が本当に強い! ベスト16 赤系アグロ5 スゥルタイミッド...








【現時点でのスゥルタイミッドレンジ】

クリーチャー:25枚
4:《ラノワールのエルフ》
4:《野茂み歩き》
4:《マーフォークの枝渡り》
4:《翡翠光のレインジャー》
1:《真夜中の死神》
2:《貪欲なチュパカブラ》
4:《ハイドロイド混成体》
2:《殺戮の暴君》

呪文:11枚
2:《喪心》
1:《暗殺者の戦利品》
2:《ヴラスカの侮辱》
3:《採取+最終》
3:《ビビアン・リード》

土地:24枚
4:《繁殖池》
4:《湿った墓》
4:《草むした墓》
4:《森林の墓地》
2:《水没した地下墓地》
2:《内陸の港湾》
3:《森》
2:《愚蒙の地》

サイドボード
3:《強迫》
2:《正気泥棒》
2:《否認》
2:《軽蔑的な一撃》
2:《疫病造り》
1:《圧し潰す梢》
1:《喪心》
1:《暗殺者の戦利品》
1:《幻惑の旋律》

【マナ基盤】

・ラノワールのエルフ
・各種探検クリーチャー
・土地

土地は24枚。

マナ換算として、緑:17/黒:16/青:12。

そこに《ラノワールのエルフ》と各種探検クリーチャーでマナベースが構成されている。

青マナが若干多め――というのは副次効果であり、本質は黒マナソースの増量を必要としたからだ。《貪欲なチュパカブラ》という黒黒を要求する除去クリーチャーの再登板がマナ基盤に影響を及ぼした。

メインの青要素は《ハイドロイド混成体》のみである。ただし、サイド後は各種カウンター等、青マナを必要とするため、10枚以上は欲しいところだ。

ショックランド10種とM10ランド10種が織りなす現環境のマナベースは、3色デッキも容易に構築可能な自由度の高い環境である。

ただし、森は必要だ。

というのも、《ラノワールのエルフ》はやはり破格の存在なのだ。素早くマナベースを構築できれば重量級のカードにアクセスしやすくなる。

3~4マナに関していえば、早く着地させたいカードはないといっていい。《マーフォークの枝渡り》だろうが《翡翠光のレインジャー》だろうが、どちらも盤面に与える影響はそう変わりない。

しかし、5マナ以降に関しては、先に辿り着いた方が明確に有利となる。

特に、《ビビアン・リード》を先に着地させ盤面に固定出来れば、概ね勝つ。


「ラヴニカの献身」で登場した《培養ドルイド》は、現在不採用にしてある。

これは、メタゲーム次第ではあるが、2ターン目にタフネス2のクリーチャーを出すことを、今の環境は許容できない。

生き残ればいいが、環境の除去は2マナからであり、たいてい除去される。《ショック》をうたれると目も当てられない。

これが、《蒸気族の遁走者》ほどのカードパワーがあれば許容されるのだが、残念ながらそうではないのだ。

パワー0という点も、ビート相手の耐性を下げる。序盤に相打ちできないのが重くのしかかってしまう。

白の1マナクリーチャーや赤のタフネス1クリーチャーが遠慮なく殴ってくるのだ。

赤のクリーチャーがダメージを通せば、絢爛が誘発されてしまう。

前環境で時々採用されていた《僧帽地帯のドルイド》であれば、一応だが盾の役割も果たしてくれていた。《ショック》で死なないタフネス3なため、1マナと2マナの交換もなかった。

同様の扱いは、出来ないのだ。

また、先に述べたように、4マナ域に先出し優位なカードがないというのも、必要性が見いだせにくい点だろう。

もっと重い構成――《秘宝探究者、ヴラスカ》や《破滅を囁くもの》を複数枚メイン投入する構成であれば、採用の可能性も出てくるかもしれないが、現状の構成であれば必要ないと考えている。

また、せっかくの順応だが、現環境のゲーム速度は、5マナもつぎ込むことを許してくれない。

これが《野生の律動》や《アジャニ》によるサポートがあれば複数マナを生み出す能力も強く使えるかもしれないが、スゥルタイでは難しいと考えている。

とはいえ同型戦においては、《ラノワールのエルフ》の追加と考えると強力なカードになる。


探検持ちは盤石の8枚体制。

前環境のゴルガリミッドレンジのように、9枚目以降の投入も考えたが、今は不採用に。

ただ、《野茂み歩き》を4枚投入してあるので、その戦略も肯定できなくはない。が、そこまでやるならゴルガリミッドレンジでいいのではという思いがある。


《愚蒙の地》はスペル換算である。タップイン祭りの可能性が高くなるが、その点は足し引きだろう。《ラノワールのエルフ》がいるため、序盤のタップインは目をつむることが出来る。

終盤のリソース回収は重要だ。墓地回収カードの枚数が、同型~より重いデッキとの勝負を分ける。《ハイドロイド混成体》を使いまわせば、アグロにも有効だ。

【アグロ対策】

・《野茂み歩き》
・《喪心》
・《暗殺者の戦利品》
・《貪欲なチュパカブラ》
・《ヴラスカの侮辱》
・《ハイドロイド混成体》
・《採取+最終》

赤単を始めとしたアグロ対策は、《野茂み歩き》のライフゲインと各種除去がキーになる。

赤単相手であれば、ライフをいかに保ったままフィニッシャーに辿り着けるか。

白単であれば《採取+最終》をうてるかどうかだ。

青単相手には、軽量除去をどこまで当てられるか――あの1マナエンチャントに仕事をさせなければ、少し勝ちが見える。とはいえ、か細い道ではあるが。

アグロ対策の要である《野茂み歩き》の枚数は、デッキ作成者によってぶれがある。

同型やコントロール相手ではなるべく減らしたいカードで、サイドアウト筆頭である。ただし、これを少なくすると赤単が猛威を奮ってくるので、その点をどこまで許容するかになる。

MTGはリソースのゲームだ。それは試合だけではなく、デッキ構築から始まっている。どんな環境を予想し、メタを絞るが問われるのだ。

スゥルタイミッドレンジの柔軟な戦略は、デッキ構築の巧緻を要求する。

対人メタだってありだろう。

モダンの大会で同じ人物の親和と当たり続けた結果、当時のエルフのサイドボードに《忍び寄る復讐》と《引き裂く突風》を詰め込んで大会の望み、案の定同じ人物と当たりさすがに圧勝した。


以前は《人質とり》だった枠は、現在《貪欲なチュパカブラ》がとってかわった。

マナベースの緩和と《ハイドロイド混成体》対策としてにわかに脚光を浴びた海賊カードだが、プレイを繰り返すに従い、徐々に抜けていった。

確かに上振れが期待できるが、その分だけ裏目が存在する――信頼度が低いカードなのだ。

場に出すとお祈りタイムが必要になる。

新《ネクラタル》こと《貪欲なチュパカブラ》は、その点非常に安定している。

場に出せば仕事は終わりだ。堅実な中堅クリーチャーである。

《人質取り》のように、相手が対処手段を持っていないことを祈る必要がないというのは精神的に楽だ。それだけ信頼できるのだ。

スゥルタイミッドレンジは、わざわざ上振れを期待するよりも、安定感が重要なデッキだと考えている。

もう1点、《ビビアン・リード》の存在が影響を及ぼしている。

4ターン目《貪欲なチュパカブラ》→5ターン目《ビビアン・リード》は理想的な動きだろう。

まっさらな盤面にPWを着地させるのが、勝利の鍵だ。




それが、4ターン目《人質取り》→5ターン目《ビビアン・リード》ではどうだろうか。

除去されるリスクを2ターンも孕んでしまう。かといって、PWのプレイを後に回すのも、得策ではない。

現代MTGにおいて、いわゆる雪玉式のアドバンテージを稼ぎ出すPWはなるべく先に出したいカードだ。

《ヴラスカの侮辱》と《ハイドロイド混成体》、さらに《野茂み歩き》と、ライフゲイン可能なカードは10枚投与されている。

《ビビアン・リード》も高い忠誠値でプレイヤーのライフを守ってくれるだろう。

そして、一撃必殺の《採取+最終》。

《殺戮の暴君》との組み合わせは、前環境に引き続いてコンボだ。

《喪心》は安定の除去カードである。これより強い除去は同マナ域ではそうそうない。現環境であれば《溶岩コイル》ぐらいだろうか。

とはいえ、あくまで1対1交換を行っているだけなので過信は禁物である。

《暗殺者の戦利品》は非常に丸いカードだ。ただし、序盤に土地を伸ばされるのは危険であり、1枚の投与に留めている。

絶対に壊さなければならないカードがある時はサイドから増量させよう。

例えば、《荒野の再生》、各種PW、《アズカンタの探索》、《正気泥棒》や《黎明をもたらすものライラ》は、絶対に対処しなければならない。

《暗殺者の戦利品》は、その万能性かつインスタントという点で、サイド後に強くなる可能性があるという不思議なカードだ。

本来、丸いカードはサイド後抜けることが多いのだが、ここまで万能だと枚数を増やしたくなる。

【アドバンテージ源】


・探検クリーチャー
・《真夜中の死神》
・《ビビアン・リード》
・《ハイドロイド混成体》
・《採取+最終》
・《正気泥棒》

デッキのアドバンテージ獲得手段は、ほぼクリーチャー絡みだ。各カードがシナジーを構築し、それでいて単体でも使用に耐えうる強さを持つ。

《真夜中の死神》は、同型戦で一方が着地させると、あっという間にリソース差が広がり手がつけられなくなる。

スゥルタイミッドレンジの弱点の一つが、場に着地してからはバニラのクリーチャーが多いことだ。《真夜中の死神》は死亡時の能力を与えることで、戦闘を不自由にさせる。

《ビビアン・リード》も同様にリソース差を生み出すカードだ。同型は《真夜中の死神》やPW、《殺戮の暴君》で差をつけるという、前環境と同じ方法が今も有用だと感じている。

とはいえ、《真夜中の死神》はライフを失うのが早いデッキ相手には弱点にあり、ただ強いカードかと言われると疑問符がつく。

とはいえ、メタ次第では2枚投入もありだろう。

《ハイドロイド混成体》は、スゥルタイにする理由だ。このカードを採用しない――3枚以下にするのであれば、ゴルガリで十分だと考えている。

大量マナによるリソース回復+ライフ回復+巨大サイズは圧巻。

注目すべき点は、4マナ以降ならいつでもプレイできることだ。

4/2/2、1ドロー1ライフは、結構便利である。5/3/3でも同様で、悪くはない。

4マナ以降のカードは、このクリーチャーにより全て4枚追加されているのと同じ扱いだ。

そのため、以前よりも4マナのPWの必要性が薄れていった。

例えば、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》は丸くて好きなカードだ。同型戦での《ラノワールのエルフ》潰しや地味なライフゲイン、決まれば勝ちな奥義と、コンパクトにまとまっている。

一時使用していたが、器用貧乏感は否めず、今はメイン/サイドともに抜けてしまった。

《ウルザの後継、カーン》もリソース源としては優秀だが、トークン生成の意味合いが薄いため、中盤~終盤にいつでも強い《ハイドロイド混成体》の後塵を拝しているのが現状である。

とはいえ、クリーチャー以外の別角度からの戦略は、常に考慮に値する。

《採取+最終》は、1枚で2枚のカードを回収可能である。序盤の探検で落ちたカードの再利用が可能であり、デッキの中核を成しているといっていい。このカードで墓地から回収し、《ビビアン・リード》で山札から探し、《ハイドロイド混成体》のプレイは第二第三の《ハイドロイド混成体》を引き寄せる。スゥルタイミッドレンジが《ハイドロイド混成体》を楽しむデッキというのは、そういうところからだ。そのうえ、《ラノワールのエルフ》の採用により、少し早く盤面に着地するのだ。

サイドに3枚投入した《正気泥棒》は、3マナの疑似PWといえる。攻撃が1回通れば勝ちをぐっと引き寄せ、対コントロールでの序盤の仕掛けとしても優秀だ。

これぐらい戦場に与える影響が強くないと、対戦相手が動いてくれないのだ。

同型戦でも入れることは入れるが、これを対処して初めて勝負になるというのが現状である。

3/2/2飛行を除去できないようでは、そもそも勝負になっていない。

対ネクサスや対コントロールでは、こういう絡め手のカードがないと負けることが多い。受けに回っているだけでは、いかんともしがたい。

特に、コンボデッキともいえる、ネクサス相手にはそうだ。バニラクリーチャーを出すだけでは、相手に放置される。《正気泥棒》を守りながら勝負を進めると、楽ではないが、少しは勝負が出来る。

【フィニッシャー】

・《殺戮の暴君》
・《ハイドロイド混成体》
・《ビビアン・リード》
・《野茂み歩き》

環境序盤は姿を消していた《殺戮の暴君》だが、現時点ではやはり必要だったのだなという印象だ。

シンプルイズベスト、力こそパワーを体現したスタン番長は、今もゴルガリの中軸クリーチャーだった。

《ハイドロイド混成体》にお株を奪われたと思ったのだが、お互いに出し合い除去しあいを繰り返すため、一応フィニッシャー枠なのだが、除去耐性のなさも相まって、なかなか勝負を決めてくれない。

《ビビアン・リード》という、自然と《ハイドロイド混成体》の対策になる触り辛いカードの存在も影響している。

そんな中、呪禁/トランプルを擁し、十分なサイズを誇る《殺戮の暴君》は――《ビビアン・リード》の忠誠値も減らしやすい、同型最強のフィニッシャーといえる。

《採取+最終》との組み合わせは、相変わらずの破壊力だ。

大きくなった《野茂み歩き》でひたすらどつくこともあるが、結局相手の肉に邪魔されることが多い。

《破滅を囁くもの》もフィニッシャー枠を争う優秀な飛行クリーチャーだ。

優位な盤面に素早く蓋をしてくれるカードであり、アグロやイゼットドレイク相手には特に有用である。同型では除去が全て当たるとはいえ、悪くはないカードで、採用は好みなのかなと思う。

弱点は、5マナという点だ。《ビビアン・リード》と被るマナ域がもったいないし、上述した《正気泥棒》と違い、除去呪文の方が概ねテンポを稼いでしまう。

【サイドボードに関して】


ネクサスやコントロール対策の基本である《強迫》、《否認》、《軽蔑的な一撃》の三種の神器。

青単や赤青ドレイクの《呪文貫き》や《潜水》に対処されず、PW(テフェリー!)も除去可能な《疫病造り》。

《荒野の再生》と飛行クリーチャーに対処可能な《圧し潰す梢》。エスパーコントロールやジェイスカイコントロールのフィニッシャーに飛行持ちが多い(クロニウムやミゼット)のも追い風だ。

軽いフィニッシャーである《正気泥棒》。いい思い出はないのだが、どうしても使ってみたくなる。

《惑乱の死霊》が好きすぎるからだろうか。A定食や8ヒッピーに心躍らせたものである(オジ)。

《幻惑の旋律》は、同型戦で重要な仕事をする。

4マナで《ハイドロイド混成体》をとったり、序盤に《ラノワールのエルフ》をぱくるだけでも十分に強い。赤青ドレイクに使われると、本当に辛い。

2枚投入してもいいが、そうなると枠が――20枚ぐらいサイドがほしい。

他にも、《渇望の刻》や《ブロントドン》、《秘宝探究者、ヴラスカ》、《ヴラスカの侮辱》が候補に入るだろう。

【結論】

大規模トーナメントでも、往々にして顔をだすスゥルタイミッドレンジは、前環境に引き続き、王者として君臨している。

市川プロが配信で話していたが、環境が変化し、4枚スロットが変わる――追加カードがあれば、それは強いデッキであると。

ゴルガリミッドレンジは、優れたデッキだ。

もちろん、デッキパワーも高いのだが、その強さの根源は、環境のメタに合わせた柔軟な構築が可能な点だ。

環境のメタを読み切った構成が出来れば、大会で勝ち抜くことが可能である。

その点は、あまり構築に差が出ない赤青ドレイクとの差異といえるだろう。

もちろん、スゥルタイミッドレンジを狩る側のデッキは存在しており、青単やイゼットドレイク、各種コントロール、各種ゲートや各種ネクストが待っている。

対抗策は、用意されているものの、あちらを立てればこちらが立たず。

何度も言うように、環境を上手く読み切るしかない。

それでは、また。







0 件のコメント:

コメントを投稿