2019年7月18日木曜日

【基本セット2020】スタン環境にアブザンアグロ再び、 白黒吸血鬼【部族デッキ②】

基本セット2020対応部族デッキ特集第二弾。

【基本セット2020】力こそパワー! シミックハイドラ【部族デッキ①】

基本セット2020発売後、環境はさらなる変化を遂げた。 初見では基本セットらしい弱さと感じたのだが、新しいデッキの種となりうるカードの宝庫だった。 種というか、痒いところに手が届くというか、そんな便利さを感じる。 特に、部族というテーマを一段階推し進めたセット...

ハイドラに続くは、黒の主要部族――吸血鬼だ。



イクサランブロックでは主要4部族の1角として華々しく取り上げられたものの、これまで活躍の機会のなかった部族である。

そもそも、海賊、恐竜、吸血鬼、マーフォークと、どれもこれもメタゲームの一線級ではなかったのだが。

ウィザーズの素晴らしい調整の賜物。これまでの部族シナジーと差異をつけるよう苦心した結果、デッキが生まれないという悲しい現象が起こってしまったのである。

つまりイクサランは塩。

白単アグロにおける《軍団の上陸》等々が細々と使われている程度。2マナロードを擁しパーツは悪くないのだが、全体としてはまとまりに欠け、メタゲームの中心に躍り出る程ではなかった。

そんな吸血鬼たちが【基本セット2020】で大幅に強化され、ついに大会結果を残し始めた。

環境終了間際の打ち上げ花火、スタン落ちまでの僅かな輝き。

そのキーパーツが。



【灯争大戦】でも壮大な痴話喧嘩(親娘喧嘩?)を行っていた《傲慢な血王、ソリン》だ。










【白黒吸血鬼――SCGオープン4位】

クリーチャー:23枚
4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》
4《薄暮の勇者/Champion of Dusk》
4《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》
4《軍団の副官/Legion Lieutenant》
4《空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant》
2《敵意ある征服者/Vicious Conquistador》
1《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan》


呪文:15枚
2《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》
2《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
4《傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlord》
4《軍団の上陸/Legion’s Landing》
2《喪心/Cast Down》
1《屈辱/Mortify》


土地:22枚
8《平地/Plains》
6《沼/Swamp》
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》


サイドボード
4《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
2《灯の燼滅/Despark》
4《害悪な掌握/Noxious Grasp》
1《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan》
4《強迫/Duress》




【白黒吸血鬼――SCGオープン5位】

クリーチャー:27枚
4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》
4《薄暮の勇者/Champion of Dusk》
4《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》
4《軍団の副官/Legion Lieutenant》
3《聖域探究者/Sanctum Seeker》
4《空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant》
4《敵意ある征服者/Vicious Conquistador》


呪文:9枚
4《傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlord》
3《喪心/Cast Down》
1《屈辱/Mortify》
3《軍団の上陸/Legion’s Landing》


土地:22枚
7《平地/Plains》
7《沼/Swamp》
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》


サイドボード
2《灯の燼滅/Despark》
2《見栄え損ない/Disfigure》
3《害悪な掌握/Noxious Grasp》
2《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan》
1《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》
1《復讐に燃えた血王、ソリン/Sorin, Vengeful Bloodlord》
4《強迫/Duress》




環境初期のSCGオープンでベスト8に2名を送り込み、一気に躍進した

4位のデッキはPW8枚のアグロミッドレンジ、5位はアグロ戦略と、速度に幅が持たせられるのも強みだろう。

ただの愚直なアグロではない。その強みは、ライフゲインを伴うアグロな点だ。

《傲慢な血王、ソリン》は、除去+最後の1押しであり、吸血鬼ロードであり、さらには踏み倒しと、吸血鬼デッキが今まで備えていなかった能力を1枚にまとめた凄いカードである。

打点の上がり方は異常であり、吸血鬼特有のライフゲイン能力も忘れていない。

踏み倒し能力も、盤面への影響が凄まじい。打点が跳ね上がるか、大量ドローかである。

イクサランがスタン落ちする10月までとはいえ、吸血鬼は良い花火を打ち上げられそうだ。

もう1枚、【基本セット2020】の収穫――吸血鬼に限らずだが――が、《漆黒軍の騎士》である。


本当に1マナのクリーチャーかと目を疑いたくなるスペックで、このカードのお陰でアグロ戦略における弱点――中盤戦以降のマナ余りは解消された。

6マナ注げば、7/8+摂死。《殺戮の暴君》ですら返り討ちだ。

しかも勝手に育つ能力までついている。

このカードを使われたとき、タルキール期にトップメタを駆け抜けたアブザンアグロの1マナを支えた《始まりの木の管理人》を思い浮かべた。

重いカードはアグロ戦略にマッチしないが、1/1/2というスペックを持つこのカードは、非常にマッチしている。

アグロはもちろん、ミッドレンジ戦略にも噛み合うだろう。

このカードを使用したグリクシスミッドレンジも作ってみたいと思わせる性能である。




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