その中の一つがnoteだろう。
いわゆる投げ銭システムをある程度形にしたプラットフォーム上では、主に文字媒体での様々な情報が売買されている。
それは、MTGもしかりだ。遠征記事であったり、大会レポートであったり、攻略記事であったりと、およそ文章コンテンツが多数存在し、某サイトに載せるよりはよっぽどマネタイズが容易といえる。
鳴かず飛ばずとは言われても、それは情報というコンテンツに限ればどれもこれも同じリスクを抱えている。
玉石混合、一山幾らな世界で価値あるものを見つけられれば、その喜びは例えようがないし、そうして世の本好きがあるわけだ。インターネットが生まれる前、それこそエジプトはパピルスの時代より、情報の売買といえば書物であった。
もちろん、中にはどうにもならない書物もあるし、名書も無数に存在する。ただし、書物だからと妄信するのは意味が分からない。中身は、あくまでパッケージされた情報なのだ。
今回は、MF名古屋に向けて、一気に名を挙げた某デッキの情報商材っぷりについてである。
〇〇〇〇デッキ、または情報商材デッキ。
多数の初日落ちプレイヤーを生み出したコンテンツの話である。
【ジャンドサクリファイス】
クリーチャー:20枚
4《金のガチョウ》
4《大釜の使い魔》
3《楽園のドルイド》
4《波乱の悪魔》
2《残忍な騎士》
3《意地悪な狼》
呪文:18枚
4《魔女のかまど》
4《むかしむかし》
4《害悪な掌握》
4《パンくずの道標》
2《ゴルガリの女王、ヴラスカ》
土地:22枚
4《草むした墓》
4《踏み鳴らされる地》
4《血の墓所》
2《寓話の小道》
1《ロークスワイン城》
4《森》
2《沼》
1《山》
サイドボード
2《残忍な騎士》
2《打ち壊すブロントドン》
2《夏の帳》
4《アングラスの暴力》
2《軍団の最期》
2《炎の職工、チャンドラ》
1《戦慄衆の将軍、リリアナ》
MF名古屋のメタゲームは、結局のところ《王冠泥棒、オーコ》を巡る戦いだった。
MF名古屋優勝は熊谷選手のシミックフード! 環境はフード三昧、実質MF奈良やねん!
会場は名古屋駅から1時間――どこが名古屋やねん。千葉にある某テーマパークかな?
それ以下でもそれ以上でもないし、異論はでないだろう。
《王冠泥棒、オーコ》を使わないのであれば、あくまでファンデッキ。そこまで環境は支配されていた。
もちろん、MF名古屋準優勝の青白コントロールもあるが、プレイヤーが上手すぎる。
《創案の火》デッキ、ゴルガリアドベンチャー、ティムール再生など有象無象は、結局《王冠泥棒、オーコ》にひき殺されていくのが関の山だろうというのが、ぼんやりと見えていた。
そんな閉塞した世の中に送り出されたのが、完全オリジナルデッキと称した〇〇〇〇デッキことジャンドサクリファイスである。
完全オリジナル――?
アリーナでそこそこ当たっていたが……《魔女のかまど》と《大釜の使い魔》を利用したデッキは、ラクドス、ジャンド、4色の存在を把握していた。
《炎の侍祭、チャンドラ》に着目したラクドス。
《フェイに呪われた王、コルヴェルド》と《パンくずの道標》に着目したジャンド。
《王冠泥棒、オーコ》パッケージを搭載した4色である。
某情報商材デッキは、その中の一つだ。
確かに、《パンくずの道標》4枚から構築をスタートしたプレイヤーは数少ないような気がする。
《魔女のかまど》+《大釜の使い魔》からスタートして、相性のいいカードを組み合わせるのがセオリーだった。
《パンくずの道標》デッキといえば、オリジナルに思える。
《魔女のかまど》+《大釜の使い魔》デッキであれば、普通だ。
公式に取り上げられて笑ったし、誰も気にしなかったのだろうかと不思議に思った。
で、これ、フードに本気で勝てると思ったのだろうか?
見た目、全くフードに勝てなそうだし、アリーナで当たってもあんまり負けない。
フードデッキに除去で対応しようとするのがナンセンスで、残念ながらその作戦はグリクシスが木端微塵に粉砕された理由だが……《ハイドロイド混成体》がデッキに鎮座している構造上、それは無理筋である。
《金のガチョウ》パッケージ類では最強という謳い文句だが、《王冠泥棒、オーコ》がフードギミック最強なのは全フォーマットで証明されているから、これも無理筋だ。
《金のガチョウ》+《パンくずの道標》+《意地悪な狼》VS《金のガチョウ》+《パンくずの道標》+《意地悪な狼》。
《王冠泥棒、オーコ》を使わないという枷の元、作成されたデッキとしてはいいのかもしれない。
MF名古屋でしか使用できないであろう《王冠泥棒、オーコ》を4枚購入するのは、あの時点では躊躇された。
11/18で、ほぼ間違いなくスタンで禁止されるカードだ。
MTGは《王冠泥棒、オーコ》によって環境定義されています
マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2019年10月21日 - ヤソ (@yaya3_) 2019年10月21日 シミックノーダメで原野だけ禁止か。
使用期限が短く、それでいてスタン最高値という、コストパフォーマンスの非常に悪いカードである。
諭吉2~3枚分からの禁止となれば、懐に痛くないわけがない。
— MTGアリーナ日本公式 (@MTGArenaJP) 2019年11月6日
AetherHub Community Tournament 9/11/2019 Oko Banned
We will inspect decks to ensure Oko is not played. If players encounter opponents playing Oko, Thief of Crowns, please take a screenshot and inform us on Twitch. The Future Tourneys will be posted here so bookmark this: aetherhub.com/User/TourneyManager Prize limits per account in MTG Arena: Only one 10k gem pack code and 10 booster pack codes (each set) can be redeemed per account.
それが、なんと1500円で回避できる!
凄い!
謳い文句は最強常連!
アリーナ勢もゲームギャザ勢にも訴求力のあるネームバリュー!
今回はプラチナ帯でもぞもぞしてるっていう話だけど…‥ポーカー、勝ってるのかな?
あんまり稼いでるイメージないけど。
そうなると、使う人も沸くわけだ。
冒頭の文章で頭が痛くなったので、投げ銭する気にはならなかったが。
あと、環境把握が違っていたのでパスした。
バントフードをトップに書いている時点で、興味は失せる。
それでも、結構な人数が持ち込んで盛大に爆死したわけだ。
デッキ自体にも仕掛けがあって、レシピを観てわかる通り非常に細い。
《世界を揺るがす者、ニッサ》や《ハイドロイド混成体》のような明確なゴールが存在しない。かといって、アグロデッキのように素早くライフを削る構成になっているわけではない。
盤面をひたすら捏ねることは出来るので、MTGしている感じはでる癖のある形である。
あくまで感じであり、勝利というゴールには辿りつかなそうだが。
玄人になれるのではという、錯覚をおこさせる構成なのだ。
はっきり言って――このデッキでそう思ってしまうようであれば、もはやれっきとした情弱である。
1ターン目に《金のガチョウ》を置いて、どうするのか?
2ターン目に《楽園のドルイド》を置いて、意味あるの?
いくら擦っても……弱くない?
根本的に、難しいデッキは、それに相応しいデッキパワーがある。
全ゲーム全対戦相手に対して難しい判断を求められるデッキは環境に合ってないから辞めた方が良さげである。
【翻訳】ベストデッキも使わないで何言い訳してるの?
マジックを続けているといつかは避けて通れない瞬間が来ます。 好きなデッキを組むか、トップメタのコピーデッキを使うか。 勝つためだけならコピーデッキを調整するのが近道かもしれない。ちょうど迷ってた時に出会った記事です。自分を戒めるために衝動的に翻訳。 (意訳・省略を含みます。原文はこちら) All Your Invalid Excuses by Simon Nielsen ...
オリジナルデッキは、MTGプレイヤーの誉れ。
かくいう自分も、まずはグリクシス系統の除去デッキを持ち込んでFNMで爆散するのを習慣化している。
そのまま大規模大会に行くこともあるし以前はそうだったが、最近はある程度形のあるデッキを――結果、初日落ちが多くなっているが、閑話休題。
プレイが難しいは、魔法の言葉だ。たいていのプレイヤーは、自分が上手いと思わない。負けたときは、自身のプレイングに責任を求めるようになる。
それは、いわゆる思考停止と同じ状態で、結果、とくに学びもなく爆散して終わるわけだ。
デッキを弄り続けてどっかへ行く自分は、学びを得たと言いながらやっぱり爆散するので、あんまり違いはないかもしれない。
色々書いたが、今回の中身は、あまり宜しくない情報商材の一つな印象である。
あくまで個人の印象であり、責任は持たない。
ただ、購入者に責任を持たせようとするのは、悪い情報商材の一つの鉄板である。
良い情報商材と悪い情報商材の見極め方は、冒頭にアリーナのランクのスクショがあるかどうかなのだそうだ。
ちなみに、このプレイヤーがシミックフードを握っていたら、余裕で上位に入れたと思うのだがどうなのだろうか?
技量でいえば、間違いなく日本最高峰プレイヤーの一人だと思うし、ゲームギャザ世代にとっては英雄の一人だ。だからこそ、多数のプレイヤーが購入したのだろう。
自身のブランド力を、どこまで生かすか――とはいえ、それはもう、ここまでの経歴をみれば難しいのだろう。
故人である石田格さんは、何を思うんだろうか。
こういうことが行われていると、MTG業界にはあまりいい影響を与えなさそうである。小銭稼ぎにはいいのかもしれないし、ちやほやされているような気がするし、何ならそういうことを考えて生きているような人物ではないような気がするが。
自分に正直に生るというのは、非常に大変である。
コンテンツを見抜けないのなら、近づかないのが吉。そういう点では、容易にnoteにしないプレイヤーは、自身のブランド力を推し量っているのだろう。
もしGP出るならと調整してたスルタイ置いておきます。ラダー走ってたデッキです。 pic.twitter.com/bAUUtLMg1c— ヤソ (@yaya3_) 2019年11月1日
このツイートは、MF会場を激震させた。《戦争の犠牲》買取り400円といえば、わかっていただけるだろうか。
これも一つの情報商材である。
MTGはあくまで情報を扱うゲームだ。だからこそ、様々なコンテンツでの派生販路が獲得できる。
それでこそ、生計がたてやすいというものなのだが、出来れば誠実な商売をしていきたいものである。
そういえば、某イゼ速管理人がスポンサードされ、その二番手にあの中村修平氏が位置付けられていた。
……スポンサードした人間がMTGに興味がないのだろう案件で面白い。
興味があれば、順番が逆になりそうなものである。
トレカ専用フリマアプリ「magi」運営のジラフが トレーディングカードのプロチームである「magi pros」を始動https://t.co/bCKR0RTDDs#MTG #マジックザギャザリング— magi -トレカ専用フリマアプリ-【公式】 (@magi_cards) 2019年11月2日
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