2020年1月23日木曜日

禁止カード一番乗り? 《死の国からの脱出》の危うさと2位の話

発売直前の《テーロス還魂記》。

現代MTGらしいオーバーパワー気味なカード群の中において、これはヤバイのではという
カードがある。



ウィザーズが推移を見守るとどや顔でのたまったのが《太陽冠のヘリオッド》だ。

ロードとしてもファッティとしても、単純にカードパワーが高く、そのうえコンボも可能という《守護フェリダー》のような便利さがある。

とはいえ、未だ確たるデッキがないのが現状といえるだろう。

まだまだ試行錯誤の段階だ。

そんなヘリカスよりも、もっと問題のあるカードが存在する。

現代に蘇った《ヨーグモスの意志》――。



《死の国からの脱出》だ。









ヴィンテージ以外のフォーマットで禁止――その扱いが、《ヨーグモスの意志》の強さを物語る。

今まで、様々な亜種が生まれてきたが、《死の国からの脱出》は一味違う。

脱出という能力故に、墓地があるだけ再利用可能――延々と、墓地の枚数分だけ唱えられるのだ。

――一度再利用した呪文は取り除かれるのが、《ヨーグモスの意志》の弱点。

その弱点を克服した《死の国からの脱出》は――上位互換となりうる存在となってしまっている。

本当にプレイデザインチームは、このカードの調整をしたのだろうか?



鳴かず飛ばずで有名な某イゼ速二代目管理人が太鼓判。

勝ってるのでそういうことなのだろう。

ロータスブリーチという呼び名が定着するかはしらないが、パイオニアのコンボデッキであるロータス系デッキを一段高い次元に押し上げたのは間違いない。






コンボ一直線なデッキは、EDHだとよく使っていたが、それ以外はそんなに好きじゃない。

アグロ戦略だったり、ミッドレンジ戦略をとってるなら、使うことはよくある。

カウンターカンパニーしかり、ヘリカスデッキだってそこそこ擦った。

単純に、除去コントロールが好きだからだろう。

コンボデッキの存在は、パイオニア環境のガンとなるうるだろうか。

軸の違う強さがあるため、どこまでサイドを用意できるかがロータス系デッキ相手のカギになるだろう。

シミックネクサス同様の理不尽さがあり、相手にしていて楽しくないの一点で、レガシーはもとより、パイオニアでも禁止になる可能性がありそうだ。

下の環境にいくほど相性のいいカードが増えるのが、この手のカードの特色である。

発売前からそう言われるとは、まるで《精神の願望》。

令和2年のMTGの忌み子になるかもしれない。


そう、こういうことである。

コンボデッキの存在は、アメリカでは大いに嫌われる。

アメリカと日本の違いで、日本は競技志向が強く、アメリカはパーティゲームとしての扱いが強いといわれているが、その一端を感じ取れる。

 お国柄的なものなのかもしれないし、地域のコミュニティ的なものもあるのだろう。

お気楽極楽MTGも悪くはないし、基本的には自分の好きなデッキを使っている方が楽しいので、それもあり。



『イニストラードを覆う影』《苦渋の破棄》
『アモンケット』《エイヴンの思考検閲者》
『基本セット2019』《浄化の輝き》
『タルキール覇王譚』《賢いなりすまし》
『カラデシュ』《焼却の機械巨人》
『霊気紛争』《不許可》
『イニストラードを覆う影』《奇妙な幕間》
『ドミナリア』《金粉の水蓮》
『ドミナリア』《多勢の兜》
『霊気紛争』《英雄的介入》
『基本セット2015』《ガラクの目覚め》
『破滅の刻』《蜃気楼の鏡》
『カラデシュ』《害悪の機械巨人》
『アモンケット』《明日からの引き寄せ》
『タルキール龍紀伝』《アンデッドの大臣、シディシ》
『基本セット2015』《新たなるファイレクシアの魂》
『イクサラン』《太陽鳥の祈祷》
『マジック・オリジン』《精霊信者の剣》
『イクサランの相克』《地表形成師》
『ゲートウォッチの誓い』《ゼンディカーの復興者》

結構謎メンツに見えるこのカード群も、アメリカのMTG紙事情を顧みればさもありなん。

どれもこれも、本国ではそれなりに値段のするカードであり、パーティーゲームとしてのMTGの勢いを感じさせる。

競技トーナメントの衰退と無関係ではないのだろう。どこにリソースを割くかで、ウィザーズは最高の企業であるため、きっとすごいのである。







《死の国からの脱出》は、危険なカードだ。そうなると、店で買うのに躊躇してしまうのが自明の理である。

《王冠泥棒、オーコ》もそうだが、禁止の可能性が高いカードがパックから出たりシングルを買ったりし辛いものである。

アリーナならばお詫びワイルドカードですむが、紙ではそうはいかない。

ウィザーズがお詫びすることは基本ないのだが……。

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