2020年2月9日日曜日

GP名古屋2020参戦記――初日抜けの栄光と賞金圏外の虚無と――

GP名古屋2020が終わり約1週間が経過した。

無事所見なく経過し、仕事も落ち着いたのでそろそろ参戦レポートをまとめていこうと思う。

パイオニアで行われたGP、使用デッキは5C二ヴ。

あの、後に盛大な負け組と称されたミッドレンジ界最強(当時)のデッキである。













【GP前】

降ってわいたように制定されたパイオニア。

新フォーマット「パイオニア」が発表されたのでデッキを考えたりしてみよう

MTGの歴史に残る日――一体、何年ぶりとなるでしょうか。

モダン未満、スタンダード以上な構築フォーマットは様々な特需を生み出し、毎週行われる禁止改定に悲喜こもごもしながらデッキを擦っていた。

4Cケシス、グリクシスミッドレンジ、グリクシスコントロール、グリクシスフェニックス、グリクシスドラゴン、青黒コントロール、スゥルタイオーコ等々である。

パイオニアのグリクシスは駄目なので禁止改定を待とうの巻

オーコに汚染されたモダン・レガシーやオーコがいなくなったスタンダードに目を背け、ボーラス信者としてグリクシスカラーで楽しく遊んでいた。 手札破壊、カウンター、除去、ドロー、そしてニコル・ボーラスな頭のいいデッキだ。 《思考囲い》、《シルムガルの嘲笑》、《致命的な一押し》、《時を越えた探索》等々、その選択肢は豊富にみえた。そう、みえていたのだ。 ...


パイオニアにおけるスゥルタイミッドレンジを考えてみた

グリクシスがマナベースの問題で頓挫し、マナクリ大量のシミックアグロが手に馴染まなかったパイオニア環境。 毎週毎週の禁止カードによる環境の揺さぶりと、特に関係なく感触の悪いボーラスデッキ。 結局縋ったのはいつもの神頼みと相成った。

デッキの好み――もちろん除去コンが一番手で、アグロ寄りなミッドレンジも使いたかったのだが――パイオニア環境の特徴と噛み合い、なかなかデッキが見つからなかった。

友好色マナベースの弱さが多色デッキの弱点となり、脆弱なマナベースに見合うだけの色バリューが出しづらかったのだ。

使用したかったのは《集合する中隊》と《破滅の龍、ニコル・ボーラス》、そしてエネルギー・ギミックと《スカラベの神》に《思考囲い》だ。愛着あるカード群だが、それぞれ環境に合う形を上手く生み出せなかった。

そんなときに現れたのが5C二ヴだ。

友好色のマナベースは貧弱だが、対抗色のマナベースは強力。そのため、5Cにして全て取り込んでしまえばある程度問題なく動くだろうという目から鱗なデッキだった。

マナを伸ばして除去って《二ヴ=ミゼット再誕》で使用したリソースを取り返す。これぞミッドレンジデッキという動きを体現していた。

《森の女人像》というマナクリーチャーがキーパーツというのも好印象。これは古参プレイヤーの懐古だが、旧テーロス時代に非常にお世話になったカードであり、こうして令和の今になって使用できるというのも何かの縁だろう。



アグロ~ミッドレンジのレンジ域に存在するデッキとの相性は良好であり、特に環境制定時から存在する赤単ミッドレンジには抜群の強さを見せた。

《森の女人像》という強固な壁+マナ要因に、唱えたときのバリューが凄まじく5/6/6飛行というスタッツが強力な《二ヴ=ミゼット再誕》を擁し、《包囲サイ》や《ケイヤの誓い》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》といったライフゲインカードが採用できる。

パワー3の1-2マナ圏内のクリーチャーがほとんど環境に存在しないのも追い風で、《森の女人像》のディフェンス能力は特筆に値する。

とはいえ、0/3呪禁を容易に突破するアグロデッキも存在するのだが……。

パイオニアに関しては、週に2回大会に出れたので、ぼちぼち調整――と考えていたが。



あてが外れる。

MOをやっていないので、あとは脳内――と考えていたら、GP参加勢で調整ラインをしてくれたり、調整の場を作ってくれたり。

自分は気になったデッキを持って行っただけの賑やかし要員だったような気もするが、貴重な機会だったしラインもありがたかった。

カニスターが配信して評判になった青黒ツインに『これはないかー』と言う程度の存在だったが。

快調に3-0してからの軽快に0-3してやっぱりカニスター専用だったかーという結論で面白デッキという認識だった。


あれ?

そもそも、カニスターは本人も化け物じみた強さだが、デッキもまた強いことが多い。


青黒インバーターの活躍は、アジア、米国、ヨーロッパの各PTで明らかだ。


カニスター自身もヨーロッパPTで2位に入賞しており、デッキ宣告の準優勝はかっこよすぎる。

さて、話が逸れた。今回のような多人数での調整は久しぶりであり、非常にありがたかった。

個人での取り組みには限界があり、チーム調整はMTGで勝ちたければ必須となるのだろう。

三人集まれば文殊の知恵である。まぁ、その結果失敗した曲者というチームもあるが、それはそれである。

【GP前日】

結局、名古屋に持ち込んだデッキは5C二ヴとなった。

調整会でも感触は悪くなく、5C二ヴ専用機みたいな扱いで持って来いと恫喝もとい依頼されることもあったが、5C故のカード選択の自由さが気に入っていた(構築の不自由さには後で述べる)。

最後まで候補としてあったのが《オケチラの碑》入り青白バリカスだ。

アグロにめっぽう強く展開しながらアドバンテージを容易に獲得できるが、アグロとしての動きが弱めな点で断念。モダンのカウンターカンパニーやスタンのバントカンパニーのように、アグロ色が好みだった。

結局、バリカスコンボは現状、トップメタに位置づけていない。

トップメタは脱出とインバーターだ。UBインバーターの躍進に気づけた人は、MTGの嗅覚に優れているといえるだろう。

バリカスとインバーターは同じ2枚コンボだが、成立しやすさは全く別物である。

もちろん、青がらみというのも大きいが。

しかし、そもそもの懸念点としてあったのは、デッキ云々ではなく、コロナウィルスの猛威である。

今回も両親宅に泊ったのだが、世は大絶賛なラグーンシティであり、職業柄、もし止められれば断念するつもりだった。

特に止められなかったため無事に出場と相成ってしまったが、「来ないかなーと思っていた」という親からの一言があり、早く言ってよなもんである。

とはいえ、関東圏の通勤電車は容易に濃厚接触であり、春節前――11月程度には危ないという話が大陸では広がっていたようなので、今更対応しても遅いというしかない。

空港傍かつアジア圏のMTG大規模という、災厄といえる開催だったが、どうにもならないというものだ。

自宅に引きこもっているのでなければ、常にリスクを抱えている状態であり、新幹線もマスクして手洗いしてうがいすれば、通勤時の山手線よりもぐっとましというものである。


親子丼うまー。玉ねぎのない親子丼は至高、ネギと玉葱は邪悪な食べ物ってその辺の猫が言ってた。


GP出場前に気になっていたのは、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の強さだ。

発売前に試しで使ってみたら結構強くて、その結果相手だけサイドボードされて無茶苦茶にされるという悪鬼のような所業が行われたが、どの程度のものか判断に困っていた。




今回参考にした構築は、先に挙げたnoteである。
その中では《包囲サイ》より強いという大絶賛で、青緑というカラーリングにより二ヴで持ってこれてライフゲイン出来て6/6という一回り大きなサイズでマナを伸ばしてドローが可能で、消耗戦に強いという、脱出コストを払わなければ盤面への影響が若干弱めという点を除けば、確かに役割としては《包囲サイ》の上位互換といえた。

会場に着いたのが昼過ぎだったため、購入を調整ラインに依頼したが、特に問題なくスルーされる。オーコが使いたいという心の声がつい漏れてしまったからだろうか。世知がない世の中である。

とりあえず、デッキをでっち上げて直前PT予選へ。

5回戦固定、全勝でPT権利、4-1でGP2bye、賞品も美味しいという素晴らしいイベントである。

参加費5000円だが。

参加したら聞きなれないアナウンス。

PT本戦に準じて、メインデッキ公開と、サイドボードに採用したカードの公開が。

やり方はアナログで、雑に見せるという形である。

別ゲーという声があるが、確かに別ゲーである。

マリガンのやり方が全く違うため、MTGではない何かをプレイしている感じがした。

1回戦:黒単アグロ:0-2

アグロに有利とは一体?

とはいえ、5C二ヴは既に攻略されつつあるアーキタイプであり、黒単側は《自傷疵》という対策カードを用意していたのだ。

《森の女人像》と《二ヴ=ミゼット再誕》というアグロ殺しを容易に対処されると、5C二ヴはアグロ相手にも辛いデッキなのである。

……《安らかな眠り》効くのか? と思いながら使って粉砕されたのは秘密である。

2回戦:黒単アグロ:2-1

《安らかな眠り》は弱いんだなーということを2G目に学んだので勝ち。

3回戦:黒単アグロ:2-1

3連戦。対戦相手も二ヴ3連戦だったようで、お互いに苦笑。

サイドに《致命的な一押し》を採用していたのが生きる。

4回戦:緑黒カンパニー:2-1

チーム曲者が使ったようなデッキ。

《集合した中隊》→ロナス+レギサウルスでいきなり打点が上がって噴く。

5回戦:赤単アグロ(覚前型):2-0

覚前プロが使用後、即破棄した形。調整会でも何度か回していて、別に5C二ヴに勝たんなという感想だった。

その感想通り、普通に勝ち。ウーロが毎ターンゲイン出来るようになってしまえば負けない。

というわけで、望外の2byeゲット。

長くMTGをやっているが、2bye持ちでのGP参加は始めてだった。



大会参加時間に余裕が出来ればやることは一つ――デッキの調整だ。

どうせアグロが多いだろうし、《包囲サイ》という盤面に強力に干渉するクリーチャーを採用した方がいいのではと考え始める。

《自然の怒りのタイタン、ウーロ》と《包囲サイ》を各種3枚ずつ使用すれば、ほぼほぼ単色アグロには勝てるのではないだろうか?

――結局黒単の《自傷疵》がどうにもなっていないが、それはそれである。その答えは、海の向こう側で提示されていた。そう、チェコ勢が採用した1マナ0/2が一つの答えだったが、この時点ではそこまでたどり着けなかった。

デッキ受付時間ギリギリに投入したデッキがこれだ。

【5C二ヴ――GP名古屋版――】

クリーチャー:15枚
4《森の女人像》
2《楽園のドルイド》
3《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
1《探索する獣》
1《スカラベの神》
4《ニヴ=ミゼット再誕》

呪文:19枚
2《突然の衰微》
2《木端 // 微塵》
4《時を解す者、テフェリー》
1《ケイヤの誓い》
1《漂流自我》
1《完全なる終わり》
1《先駆ける者、ナヒリ》
1《至高の評決》
1《永遠神の投入》
4《白日の下に》
1《呪われた狩人、ガラク》

土地:26枚
2《植物の聖域》
1《花盛りの湿地》
1《内陸の湾港》
2《砂草原の城塞》
1《神秘の僧院》
1《華やかな宮殿》
1《繁殖池》
1《神無き祭殿》
1《神聖なる泉》
1《草むした墓》
1《聖なる鋳造所》
1《蒸気孔》
1《踏み鳴らされる地》
1《寺院の庭》
1《湿った墓》
4《寓話の小道》
1《森》
1《島》
1《山》
1《平地》
1《沼》

サイドボード
2《致命的な一押し》
1《冥府の報い》
3《思考消去》
2《ラクドスの復活》
2《安らかなる眠り》
1《人質取り》
1《殺戮遊戯》
1《歓楽者ゼナゴス》
1《狼の友、トルシミール》
1《破滅の刻》

デッキリストが長くて辛み。土地の項目が長いんだよなー。

結局《包囲サイ》は不採用。《永遠神の投入》を採用し、アグロと青黒インベ―タ―対策に。

本戦が終わった今であれば、メインで気になるのは《楽園のドルイド》と《ケイヤの誓い》か。

今なら《金のガチョウ》に変えるかもしれない。そもそも、このデッキを使うかどうかという大問題があるが。



サイドボードに関して言えば、コントロール対策として採用した《歓楽者ゼナゴス》と《狼の友、トルシミール》が非常に弱かった。

《歓楽者ゼナゴス》は、二ヴからもってこれる4マナギデオンと考えていたが、青白コントロールが数を減らし、青黒インバ―タ―がコントロールとして幅を利かせ始めたのが誤算だった。

あの高橋プロが青白コントロールを諦め、八十岡プロが生き生きとヤソコンを使用している事実で察してほしい。


《狼の友、トルシミール》は他のカードよりも強い点がないというほどに弱いカードで、採用理由が説明できない。一応、セレズニアカラーで二ヴでもってこれるが、それがなんだという話である。ライフがきつい場合、大体《白日の下に》で《永遠神の投入》を持ってくるし、まだウーロの方がましである。

このカードが《冥府の報い》であれば、もっと勝ち星を拾えたかもしれない。

《神秘の論争》にしてもよかっただろう。その場合は、サイドの《人質取り》をメインに昇格し、ゼナゴス・トルシミールと併せて3枚投与したいところだ。

メインでの工夫で言えば、《包囲サイ》の不採用と《スカラベの神》+《呪われた狩人、ガラク》の採用だ。

ウーロの強み――若干懐疑的になる場面もあったが――で《包囲サイ》の不採用の理由を述べた。

《スカラベの神》と《呪われた狩人、ガラク》は同型対策である。お互いに《二ヴ=ミゼット再誕》を出し合うのであれば、その後に差をつけられるカードが必要と考えた。

《二ヴ=ミゼット再誕》→《呪われた狩人、ガラク》という動きは、対策カードの欠乏により非常に対処し辛い動きだ。

二ヴを抜かれても、《スカラベの神》1枚で勝つ程度には強いカードである。デッキの構造上、対処が困難なカードで、無から有を生み続けるカードに弱いという5C二ヴの弱点に合致している。

《夢さらい》という化け物カードも存在するが、結局二ヴの6/6飛行を突破できないため不採用とした。マナベースが危険水域に達するのも理由である。




【GP本選1日目】

1回戦:bye

2回戦:bye

3回戦:赤青エンソウル:2-1

ロード多めな独特な構成。

4回戦:赤単ミッドレンジ:2-0

このデッキには負けないはず。

5回戦:白単信心バリカス:2-0

コンボ要員を抜けばそこまで押しの強いアグロではないので勝ち。

《ゼンディガーの同盟者、ギデオン》を《白日の下に》で持ってきた《探索する獣》で潰したおかげで信心システムが働かず勝ち。

対戦相手に褒められてご満悦。

6回戦:緑白バリカスカンパニー:1-1(トスしてくれる)

Too late!

最後までちんたらやってました、ごめんなさいごめんなさいごめんんさいごめんなさい。

ジャッジに怒られる――が、気づかないぐらいに頭がバグっていた。

いわゆるティルトというやつで、初日抜けがかかった試合の3ゲーム目、最後だから人もくるし、ジャッジも傍にいるし、土地3枚から伸びずにディスカードに入るしと最悪の状態だった。

そもそも、勝てるゲームだったのにくそプレイを連発して引き分けになったので何ともはやである。

焦点は《命の恵みのアルセイド》、《太陽冠のヘリオッド》とその他諸々が対戦相手の場に在り、こちらの手札が《木端//微塵》、《人質取り》、《破滅の刻》。場には脱出済みの《自然の怒りのタイタン、ウーロ》である。

自分が選択したのは《木端//微塵》を《命の恵みのアルセイド》に唱え、その後《破滅の刻》をうつという形だった。目論見ではプロテクション緑を選択してくれないかなと考えていた。

対戦相手が選んだのは、プロテクション赤。

そのため、《人質取り》でヘリカスを対処し、ウーロはチャンプブロックされた。ここの戦闘が響いて、最終的に詰め切れなかった。

――《破滅の刻》、最初に唱えればええやん。

9マナ、あったし。……あれ、なかったっけ?

トルシミール万歳アタックもあったな。

ついでに書くと、自分最終ターン、勝ちがなくなったので《白日の下に》で《漂流自我》を引っ張ってきて勝ちの目を潰そうとしたところ、入ってなくて焦ったのもある。

ゴミプレイヤーである。

反省。

よく警告をもらわなかったものである。

それなりに早いつもりだったが、遅いプレイヤーだったようだ。

対戦相手の最終ターン、手がかり+通常ドローで《歩行バリスタ》を引けず、決着はつかなかった。

とはいえ、引き分けゾーンに入ったら5C二ヴの立ち位置が悪くなるのは自明の理。既に実例があるわけで、呆然とした頭でトスるかーと考えていると、対戦相手が先にトスってくれるとのこと。

引き分けゾーンが辛いというのは互いの認識の一致であり、これにて1年ぶりの初日抜けとなった。

GP京都でグリクシスミッドレンジを使用して以来の初日抜け、前回のGPオーコは半分GP京都だったので、感慨深いものがある。

7回戦:赤青エンソウル:2-1

25分で終了。対戦相手が無色土地のみでキープした結果、最後の無色ランドを引いてしまい、相手が動けず。

結構プレイ早い方のはずなんだよな……。

8回戦:青黒インバーター:2-1

メインは茶番。

《真実を覆す者》を抜いてからが勝負。対戦相手のコンボ以外の勝ち筋は《スカラベの神》と《群れネズミ》であり、その対処が肝だ。

3ゲーム目、《神秘の論争》つらいなーと思いながら《人質取り》を《群れネズミ》目当てにプレイしたところ、何故かスルーされる《人質取り》。いそいそとパクり、気づく対戦相手。

ネズミゲーを差し切り、勝ち。

ここで初日は終了。

初日全勝、昨日から数えて12連勝であり、ここまでの勢いは素晴らしかった。明確に、勝ちへの流れがあった。

ここまでは。

9回戦:赤青エンソウル:1-2

流れが変わったのが、この試合だろう。

全勝対決、1日目最終戦。

1本ずつ取り合った3ゲーム目、この日――いや、2日目にして、初のダブルマリガン。

そして、対戦相手のドブンで終了。頼みの綱の《冥府の報い》も無事にカウンターされ、成すすべなく4KILLである。

《森の女人像》を容易に突破できる《アーティファクトの魂込め》と多色キラーの《石とぐろの海蛇》擁する赤青エンソウルは、アグロの中で特に苦手なデッキだということを再確認。

トルシミールとかいうオモチャをサイドに残したことを後悔。

《致命的な一押し》を2枚採用したとはいえ、引かなければ意味はないのだ。

とはいえ、初日8-1は立派な成績。

8回戦までの勢いがあれば、2日目も!?

【GP2日目】

10回戦:赤青エンソウル:1-2

3ゲーム目、2ターン目に《木端//微塵》で2/2の海蛇を落とし、3ターン目にウーロをプレイし、4ターン目に《至高の評決》をうてるようになったが、その時点で死亡確定。

5/5が2体はさすがにさすがに。《変わり谷》が普通にいたため、全除去しても死亡が確定した。

……うん、今日は無理かなと理解。

11回戦:5C二ヴ:2-0

アグロ以外2人目。

2試合とも二ヴを抜かれたが、《スカラベの神》が強すぎて勝ち。

さすがアモンケット最強神。

12回戦:5C二ヴ:0-2

くそプレイして負け。

先手でさっさと4ターン目二ヴ爆誕すればいいのに、《森の女人像》を2枚出されたからと《至高の評決》をうつ下手くそがここに。

結果、返しに相手が土地+《森の女人像》でマナにさらに差が開き、先に二ヴ爆誕で負け。

自分がマナが伸びないからといって、対戦相手が伸びないことはない。

13回戦:白単信心:2-0

二ヴのCIP能力にスタック《停滞の罠》を《時を解す者、テフェリー》とんとんしたらさっさと投了した。

そういえば、これは全くの余談だが某大型新人が《時を解す者、テフェリー》の能力を間違えていて、対戦相手に修正されていてほんまにほんまにである。確信犯なのかなんなのか。

14回戦:青黒インバーター:1-2

《真実を覆す者》+《タッサの信託者》+《神秘を操る者、ジェイス》を揃えられ、《白日の下に》1枚では対処できず。

《破滅の刻》でジェイスを流した返しに《タッサの信託者》で無事死亡した。

1G目も、《真実を覆す者》の返しに《白日の下に》を唱えることが出来れば《永遠神の投入》で友情コンボだったがそんなことはなく。

1日目との違いである。

15回戦:赤青エンソウル:1-2

運命の最終戦、30点台ではオポ上位だったためIDを持ちかけるが、拒否される。

30点以上は約140名なためIDでぎりぎり賞金圏内だとみえたが、あくまでぎりぎり、対戦相手の試合に全てを賭けようという言葉にやることに。

1G目は勝ち、2G目は《技量の活性士》絡みのブンで負け。

1-1でむかえた3G目。

マリガン後のハンドで土地3枚と《ケイヤの誓い》、《木端//微塵》、《ウーロ》、《二ヴ》の良好なハンドで、除去を優先し二ヴを下に。

《二ヴ=ミゼット再誕》という、デッキのコンセプトカードを下に。

対戦相手の動きは――1ターン目《ギラプールの希望》、2ターン目《アーティファクトの魂込め》。

この時点で死を覚悟するが、除去2枚で何とか処理して仕切り直し。

ライフは10点以上、墓地に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》がいて、あと1枚墓地に落ちれば脱出可能というところで――3ターン土地を引き続ける。

対戦相手は《湖に潜む者、エムリー》と《爆片波》を引き、万事休す。

初日8-1からの二日目2-4で、ぎりぎり賞金圏外。

最終戦で全てを失った。


2日目で勝てる可能性があったのは11回戦目と最終戦。

どちらの敗因は同じであり、5C二ヴを使用しながら《二ヴ=ミゼット再誕》というカードを信頼できかった時点で勝負は決していた。

やはりボーラス教団の人間にとっては、敷居の高いカードだったか。




【5C二ヴの限界と分析の困難さ】

明日、もしパイオニアの大きな大会があれば、5C二ヴを持っていきたいかと言われれば、答えは是だ。

それは、いわば惰性の賜物、情の選択である。

時間があるのであれば、青黒インバーターを使用するだろう。習熟に時間を要するとはいえ、MTGの強い要素が詰まっている。

軽く動け、最強ドロー呪文が使え、しかもコンボで別軸の勝ち筋――殴り勝つことも可能なのだ。

PT名古屋初日最終戦の八十岡プロのフューチャーを見て、ヤソコンを使用したくなるプレイヤーも多いだろう。

結局5C二ヴは、良くも悪くも大ぶりなミッドレンジで、細かい動きは苦手とする。

デッキの自由度も低い点は問題で、マナクリーチャーと《白日の下に》、《二ヴ=ミゼット再誕》でデッキ内の選択肢は限られる。そのうえ、多色のカードを採用しなければならず、1マナの呪文――混成マナしか存在しないため――基本は2マナ以降の呪文の詰め合わせとなり、テンポが悪い。

そのうえ、多色のカードだからといって、単色のカードよりも強いとは限らないのだ。

プロが配信でこぞって選択肢になかったというのも頷ける話である。

それでも、1年ぶりに初日は抜けられて――8-1という結果は望外の成果だった。

パイオニアを環境初期から擦り続けたからだろうし、2日目2-4という結果もまた自身の限界を露呈したといえるだろう。


ここまで取り組んでこそ、結果が出る――市川プロの配信でも思ったが、言語化し、ロジックとして表現され、それが説得力のある――というところまでは至っていなかった。



情報は集めたが、分析するところまでは至らず。知識として知っていても、使いこなせなければ意味がないのだ。

PT名古屋において、チーム武蔵の持ち込んだデッキは、4つ全てがベスト8に入賞した。日本有数のメンバーが所属しているチーム武蔵だからこそ生み出せた成果であるとはいえ、そこで諦めてもという話である。

情報は集められる。それをどう料理するかという点では、他プレイヤーに劣っている。MTGというゲームは複雑で、何が駄目で何がいいのかを他者に説明し納得できるほどに習熟しなければ、勝てないのだ。

一緒に調整した仲間が賞金圏内に入ったことは喜ばしい限りであり、自分もそうなりたかったというのは嘘偽りない本心だ。

IDを持ち掛け、勝利への執着心が薄れた瞬間、MTGというゲームは牙を剥いたといえる。

1年ぶりの初日抜けと翌日の転落は、MTGらしいものだった。

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