毎週毎週の禁止カードによる環境の揺さぶりと、特に関係なく感触の悪いボーラスデッキ。
結局縋ったのはいつもの神頼みと相成った。
アモンケットブロック随一のカードパワーをもつ、《スカラベの神》だ。
カラーリングはBUG――スゥルタイミッドレンジのお話である。
1週間は程よく勝てたので、良いデッキ戦略だったのだろう。
事故りにくいというのは素晴らしい。
年内最後のパイオニア禁止改定となった12/16前夜。
数多の禁止カードが生まれた環境を支配していたのは、この世に刷られるべきではなかったエルドレインの忌み子――MTG史上最強PW《王冠泥棒、オーコ》だった。
パイオニア環境を例とした環境分析 - 名前はまだない
来年2月のプレイヤーズツアー名古屋に向けパ イオニアフォーマットを勉強中。今年一杯は毎週の禁止改定が予告されているが、フォーマットの特色というものは存在するため(後述のマナベースなど)、ノウハウは積んでおくに越したことはない。 今回の記事は、以前「どのように ...
青緑信心や青緑アグロが幅を利かせ、そこかしこで発生するオーコ合戦を制する手段。
それは、昨今のスタンダードで繰り返された光景である「黒を足す」という戦略だった。
【スゥルタイフード――パイオニアチャレンジ入賞――】
クリーチャー:17枚
4《金のガチョウ》
1《エルフの神秘家》
1《ラノワールのエルフ》
1《漁る軟泥》
3《残忍な騎士》
3《不屈の追跡者》
1《クルフィックスの狩猟者》
2《意地悪な狼》
1《スカラベの神》
呪文:18枚
4《思考囲い》
4《致命的な一押し》
4《突然の衰微》
4《王冠泥棒、オーコ》
1《ゴルガリの女王、ヴラスカ》
1《時を超えた探索》
土地:25枚
4《草むした墓》
3《湿った墓》
2《繁殖池》
4《植物の聖域》
4《花盛りの湿地》
2《寓話の小道》
3《沼》
2《森》
1《島》
サイドボード
3《軽蔑的な一撃》
2《害悪な掌握》
1《集団的蛮行》
1《漁る軟泥》
2《神秘の論争》
1《不屈の追跡者》
2《衰滅》
1《ゲトの裏切り者、カリタス》
1《ビビアン・リード》
1《龍王シルムガル》
《思考囲い》、《致命的な一押し》、《突然の衰微》の12枚体制は、2ターン目オーコへの妨害手段と対抗手段として強固といえる。
1ターン目の《思考囲い》、マナクリーチャーを落とす《致命的な一押し》、《頑固な否認》を掻い潜りながら《王冠泥棒、オーコ》を着実に処する《突然の衰微》。
軽量かつ強力な妨害手段を採用しており、序盤からテンポよく行動回数を稼ぐことが出来る。
《残忍な騎士》や《ゴルガリの女王、ヴラスカ》も採用されており、《王冠泥棒、オーコ》を意識した構築である。
勿論、自身も2ターン目《王冠泥棒、オーコ》を搭載しているため、雑多なデッキ――PWへの対処が困難な青白コントロール――を含めて、有利に立ち回れる。
フードシナジーはアグロに強く――その中でも《王冠泥棒、オーコ》は全てに強いという化け物スペックである。
マナベースに関しても、ファストランドを2種類採用可能な敵対3色なため、友好2色よりもましな構築が可能となっている。
禁止改定前夜に3-0と有終の美を飾る。
最終戦はティムールエネルギーが事故っている間に2tオーコで勝ちと、ほんまにこのカードはあかんなぁとなっていた。
先週はシミックアグロを使用して0-3だったので、素晴らしい。
《スカラベの神》は優しいカードで、これを連打するだけで勝ってしまう素晴らしいカードだった。
使用時は、ヴラスカを抜いて1枚《スカラベの神》に変更している。
《時を越えた探索》は《漁る軟泥》に変えたっけな。
年内最後、12/16禁止改定――《王冠泥棒、オーコ》の運命とインスタント禁止改定
マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2019年12月17日 - マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2019年12月16日 - 大川ぶくぶ/bkub (@bkub_comic) 2019年12月16日 - kenta harane (@jspd_) 2019年12月11日 さすがMTG史上最強のPW、パイオニアでも生き延びることはありませんでした。
当然生き延びるわけもなく、禁止である。
《王冠泥棒、オーコ》――フードシナジーという中核を失った今、スゥルタイは新たな方策を考える必要があった。
Pioneer Preliminaryに基づく環境調査(2019/12/18-2019/12/20) - 名前はまだない
PreliminaryはMagic Onlineのイベントの1種であり、リーグ同様全5戦の ...
禁止改訂後のパイオニアを考える記事です。— Yuta Takahashi (@Vendilion) 2019年12月18日
オーコ帳とも渡り合っていた、黒単アグロがメタのスタート地点。次点で青白コントロール、バントカンパニーが強いと予想しています!https://t.co/y3HeVzpmAt#ラッシュメディア #カードラッシュ #mtgjp https://t.co/bpQgrnT99a
スゥルタイに残された戦略――それは、『エネルギー』、そして『昂揚』だろう。
スゥルタイ探検は、うん、まぁ、ヒストリックならいいよね。
探検連打型は、ニッサハイドロイド戦略と合致しているため悪くはないかもしれないが、スゥルタイではなく青緑信心に軍配があがりそうである。
【スゥルタイエネルギー】
クリーチャー:20枚
4《光袖会の収集家》
2《漁る軟泥》
4《精製屋のならず者》
4《不屈の追跡者》
2《残忍な騎士》
2《探索する獣》
2《スカラベの神》
呪文:12枚
4《思考囲い》
4《霊気との調和》
3《致命的な一押し》
3《突然の衰微》
2《ビビアン・リード》
土地:24枚
4《草むした墓》
1《湿った墓》
4《花盛りの湿地》
2《植物の聖域》
4《霊気拠点》
1《伐採地の滝》
2《寓話の小道》
3《森》
2《沼》
1《島》
サイドボード:割愛
スタン禁止カード――《霊気との調和》と《ならず者の精製屋》を擁するエネルギーシナジーは、フード亡きスゥルタイミッドレンジの屋台骨になれるカードだ。
The Complete Guide to Sultai Energy
Sultai Energy, unlike Temur Energy, hasn't been around in Standard for that long. The deck originated soon after was released, and is a hybrid between traditional Temur Energy and the Black-Green Constrictor decks we saw doing well before rotation.
エネルギーシナジーに関して言えば、当時のスタンダード環境において、ティムールエネルギー(t黒含む)と赤単アグロの2強環境といえた。
PTイクサランこそスゥルタイが制したもののである。
《蓄霊稲妻》という万能除去に、《つむじ風の巨匠》というトークン戦略、《反逆の先導者、チャンドラ》と《栄光をもたらすもの》の2大パワーカードまで擁しており、現在のパイオニア環境においてもその実力は健在といえる。
当時のスゥルタイエネルギーは、《巻きつき蛇》と《牙長獣の仔》によるアグロ戦略が多く採用されていた。嵌まれば強いが、嵌まらなければ脆いそのシナジーを排し、上記のデッキはあくまで重戦車戦略をとっている。
その根幹は、《霊気の収集家》・《ならず者の精製屋》・《不屈の追跡者》という、カードを引きながら盤面を構築できるクリーチャー陣だ。
盤面と手札を維持しながら《スカラベの神》を叩きつければ大体勝てるだろう。消耗戦でいえば、この面々に勝てるカードはそう多くない。
とはいえ、《王冠泥棒、オーコ》の禁止の影響は強く、除去カードの減少は免れないといえる。
1枚でクリーチャー除去とアーティファクト除去を兼ね添えたカードの後釜など、そう多くはない。
《意地悪な狼》と《王冠泥棒、オーコ》がいなくなった分、盤面に触る手段は乏しくなっている。
《致命的な一押し》の紛争達成が困難になっている点も、除去の質の低下を招いているといえるだろう。
食物による気軽な紛争は息を潜め、手がかりの解決やクリーチャーの死亡が必要となっている。
また、青白コントロールが苦手とするPW戦略をとり辛い点も、エネルギーシナジーの欠点といえる。
FNMで3-0(参加者4名の総当たり、ティムールエネルギーが事故ってた)で感触は悪くはない。
《金のガチョウ》を紛争要因で残していたが、さすがに弱かった。
1→3マナのジャンプアップが強いわけではない。とはいえ、マナエルフよりはましといったところだ。
アグロが隆盛するなら、ガチョウにも白羽の矢が立つ。
《ビビアン・リード》を採用しているが、メインであれば《ゴルガリの女王、ヴラスカ》の方がいいかもしれない。
持っていないし、フードがなくなると+能力が弱くみえるがどうなのだろうか。
何にせよ、青白コントロールが環境に跋扈する現状、PWは必要であり、《最後の望み、リリアナ》も考慮に値する。
【スゥルタイ昂揚】
クリーチャー:22枚
2《歩行バリスタ》
4《残忍な剥ぎ取り》
2《ヴリンの神童、ジェイス》
1《漁る軟泥》
2《クルフィックスの狩猟者》
2《不屈の追跡者》
1《巨森の予見者、ニッサ》
1《再利用の賢者》
1《残忍な騎士》
1《ゲドの裏切り者、カリタス》
1《人質とり》
1《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1《スカラベの神》
1《龍王、シルムガル》
1《約束された終末、エムラクール》
呪文:14枚
4《ウルヴェンワルド横断》
2《思考囲い》
3《致命的な一押し》
2《突然の衰微》
2《最後の望み、リリアナ》
1《ゴルガリの女王、ヴラスカ》
土地:24枚
4《寓話の小道》
4《草生した墓》
2《湿った墓》
1《繁殖池》
4《花盛りの湿地》
1《植物の聖域》
2《廃墟の地》
3《森》
2《沼》
1《島》
サイドボード:割愛
大禁止時代の幕開け、《約束された終末、エムラクール》を擁する昂揚デッキ。
個々の値段が高く、ブラスカとリリアナの取り合わせにジェイスハーレムデッキな感じである。
テーロスへ向かう前に集合場所へヴラスカと一緒に来たジェイスがほんと皆の前で堂々といちゃついておってな— M.Wakatsuki/aisha (@aishawakatsuki) 2019年12月20日
ほぼBGなのだが、《スカラベの神》は使いたい。
昂揚達成後の《ウルヴェンワルド横断》はデッキから好きなクリーチャーカードをサーチ可能となるため、シルバーバレット戦術――中盤以降の柔軟性は特筆に値する。
黒緑「昂揚」パーフェクトデッキガイド | 記事
Translated by Tsubasa Tomita and Jun'ya Takahashi 【原文はこちら】 こんにちは! 来る【グランプリ・ワルシャワ2016】か【グランプリ・サンティアゴ2016】のために強いスタンダードのデッキをお探しですか?そのデッキのサイドボーディングや、あるいはそれらのデッキを倒す方法だったりしますか?この記事では、そういったいくつかの疑問にお答えしましょう。
疑似PWである《ヴリンの神童、ジェイス》に《巨森の予見者、ニッサ》。
除去である《残忍な騎士》に《龍王、シルムガル》。
墓地対策兼ライフゲイン要因な《漁る軟泥》と《ゲドの裏切り者、カリタス》。
フィニッシャーである《墓後家蜘蛛、イシュカナ》、《スカラベの神》、そして《約束された終末、エムラクール》。
2ターン目に出た《残忍な剥ぎ取り》が生き残れば概ね勝ちだろう。
墓地を増やす手段として、《歩行バリスタ》と《クルフィックスの狩猟者》を採用。1枚で2種類分となってくれる。
おまけ
スゥルタイ2種を紹介したが、ことエネルギーに関して言えば3色に収める必要はない。
エネルギー全盛期のスタンの勝者は、先にも述べたがティムールエネルギーと4色エネルギーだった。
Team Cygames
前編に続いて後編では2日目を振り返ってレポートをお送りします。 八十岡さん7-0全勝、渡辺さんと山本さんが6-1の一敗ライン、市川さんが5-2と好調な1日目が終了し、上位卓に集まるメンバーの2日目はどうだったのでしょうか...! ●渡辺雄也の場合 2日目ドラフトラウンドの戦績 2-1 渡辺さんのデッキ(島6、森6、平地2) ...
原根 健太のゴールド・エクスペリエンス ~日本選手権☆優勝☆編~ | 記事
日本選手権2017に参加してきました。すでにご存知の方も多くいらっしゃるかとは思いますが、結果は☆優勝☆
【パイオニア版4色エネルギー】
クリーチャー:22枚
4《光袖会の収集家》
3《導路の召使い》
4《ならず者の精製屋》
2《不屈の追跡者》
2《つむじ風の巨匠》
3《破滅の龍、ニコル・ボーラス》
2《スカラベの神》
2《栄光をもたらす者》
呪文:14枚
4《霊気との調和》
2《致命的な一押し》
4《蓄霊稲妻》
2《突然の衰微》
2《叛逆の先導者、チャンドラ》
土地:24枚
4《霊気拠点》
4《踏み鳴らされる地》
1《草生した墓》
1《繁殖池》
1《湿った墓》
1《蒸気孔》
2《尖頭断の運河》
1《植物の聖域》
1《花盛りの湿地》
2《寓話の小道》
2《森》
2《山》
1《島》
1《沼》
サイドボード
1《王神、ニコル・ボーラス》
他14枚
パイオニアに蘇る、ボーラスFAN倶楽部。
《破滅の龍、ニコル・ボーラス》を強く使う1つの方法は、序盤から盤面を構築することだろう。
エネルギー関連は、ボーラスの梅雨払いとして最適なカードである。
禁止改定後、グリクシスエネルギーが頑張っていたことを覚えているだろうか。
イクサランの相克環境名人戦レポート
晴れる屋主催の賞金トーナメント、イクサランの相克環境名人戦に参加してきました。 「コヴァルスキ先生の青黒ミッドレンジ講座」 が公開されました。毎回毎回、コヴァルスキ先生の記事はためになります。 早速一読し、青黒ミッドレンジに再び心が惹かれました。今回の記事では、各種マッチアップの相性差と、どうすれば差を縮められるかまで書かれていたのです。 ...
結局鳴かず飛ばずなデッキだったが、構築思想は悪くない気がする。
当時は《ゴブリンの鎖回し》に《光袖会の収集家》があまりに無力だったが、今ならばその改善したマナベースとあわせていけるのではないだろうか。
マナの注ぎ口になるし。
……《破滅の龍、ニコル・ボーラス》が結局、若干浮いているか。これと《栄光をもたらすもの》が対戦相手のリソースを削ぎ、他のカードはリソースを増やすことに特化している。
まぁ、グリクシスが頓挫しているため、こういうのも悪くはないだろう。
店舗大会に持ち込んだが、3-1とまぁまぁだった。
1週間全勝とはいかず。店舗レベルとはいえ馬鹿ヅキしたから、来週はあかんでせう。
ティムールエネルギーがまた事故ってた(1週間で3回目、同プレイヤーに)。なんか、ごめんね。
赤のダブルシンボルが辛いため、マナベースには手を入れる必要があり、店舗大会のものとは変えている。
スゥルタイt赤ではなく、ティムールt赤にマナベースを変更すべきだったが、そこまで頭が回らず。
ニコルだー、わーいで終わっていた。
PTQの準備で頭が回らなかったのかねー(なお欠席した模様)。
高尾山でダイヤモンド富士見たかったし(なお行かず)。
22日冬至。ダイヤモンド富士の結果は・・・冷たい雨雲!— 高尾ビジターセンター【公式】 (@takaovc) 2019年12月22日
振られ続けて3日目。登山者より 「目をつむれば見える」の名言が出ました。#高尾山 #ダイヤモンド富士見えず pic.twitter.com/An8zNDjYZu
禁止カードが出揃ったパイオニアは、今後プロの研究も進むはず。
MF名古屋に向けて、擦っていきませう。
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