世界王者のタイトルは『ハビエル・ドミンゲス選手』の頭上に輝き。
チーム王者は『Ultimate Guard Pro team』が獲得しました。
しかし――今後の競技シーンに波紋を投げかける、二つのトピックスが生じました。
出場辞退、そして失格処分です。
まず一つ目。
Gerry Thompson選手、出場辞退。
それも、はっきりと、プロプレイヤーの扱いに対する抗議として世界選手権を辞退したのです。PTではなく、世界選手権。狙い澄ました、一撃でしょう。
この件に関しては、ウィザーズに関する抗議文と、LSVによるインタビュー記事、また、ありがたいことに翻訳がされています。I'm protesting the state of professional Magic by refusing to play in #MTGChamp.— Gerry Thompson (@G3RRYT) 2018年9月21日
Please read and share.https://t.co/mFcVJh0N7q
原文:I'm Gerry Thompson, a Professional Magic Player, and I'm Protesting the State of Professional Magic by Refusing to Play in the World Championship
有難い有志の方の翻訳byアラビア湾が見えたよ:【翻訳】プロプレイヤーの扱いに抗議するべく世界選手権の参加を取りやめたプロプレイヤーの主張【Reddit】
Gerry.Tの主張の日本語訳。— yuta_takahashi (@Vendilion) 2018年9月26日
読むべし。
【翻訳】プロプレイヤーの扱いに抗議するべく世界選手権の参加を取りやめたプロプレイヤーの主張【Reddit】 https://t.co/N2YwncszfU #DiaryNote
原文:Gerry Thompson on his Decision to Sit Out the 2018 Magic: The Gathering World Championship
有難い有志の訳文byGathered:【翻訳】世界選手権を辞退したThompson選手にLSVがインタビュー
【翻訳】世界選手権を辞退したThompson選手にLSVがインタビュー https://t.co/rELQtk7IyG @djvj_sigmaさんから— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2018年9月26日
以下、日本のプロのツイートをば。
これに近い事、本当に沢山あるよね。記憶に新しいのはGPシンガポールの玉田さんのデッキテク。準決勝前に記事がアップされたけど、シングルエリミでのリスト公開がなかったから玉田さんだけ75枚公開されている状況でのプレイだった。デッキテク受けたくなくなるよね。https://t.co/OByc7W1ARy pic.twitter.com/L8gGFGxEZd— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2018年9月26日
マジックはゲーム自体は世界一面白いし、だからこそ25年愛されてきた。— yuta_takahashi (@Vendilion) 2018年9月21日
しかしマジックの面白さを最大限に引き出すような見せ方が出来ていないのが問題。
プロツアーの見せ方や広報など、まだまだ伸ばせる所はたくさんあるよね。
プレイヤーとしてのGerryが見れないのは残念だけど、このボイコットは素晴らしい。wizardsはプレイヤーを軽視しすぎ。— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) 2018年9月21日
Here have real love to Magic. https://t.co/EklkZewPBz— トモハル/TomoharuSaito (@TomoharuSaito) 2018年9月21日
この環境のスタン見てももう仕方ないし、ドミナリアドラフトもっと意味わからんし、このイベントヤバいな— Kenta Harane (@jsp_magic) 2018年9月21日
抗議のためにワールド欠場は凄い。尊敬するわ。— 渡辺雄也/Yuuya Watanabe (@nabe1218) 2018年9月21日
PTをボイコットしても他に参加者が多くて印象に残らないかもしれない。けど世界選手権は世界の選ばれた24人しかいないイベントだから同然印象に残る。ボイコットする場としてはこれ以上ないけど、よく決断したなと。— 渡辺雄也/Yuuya Watanabe (@nabe1218) 2018年9月21日
本当に凄いわ。
個人的な意見として、今回の世界選手権はひどいものであり、抗議の辞退はもっともだと思います。
原根プロのツイートにある通り、 次週にプレリリースを迎える死に体のスタンダードとドミナリアのドラフトをわざわざ見たいという人はいないでしょう。
そう、死に体です。間違いなく、死に体でしょう。
そのうえ、この環境は、禁止改定を繰り返しながらも結局のところ。
この結果に落ち着きました。驚きはない――それじゃあ、駄目でしょう。何のための世界選手権なんだと。
放送に関しても、何とも観辛いスリーブをつけるため、盤面把握をし難いという体たらく。
ちょっと自慢して良いですか〜(^^)日本公式の世界選手権の動画より、大体僕の配信の方がアーカイブの視聴数多いんですょ〜(^^)これ結構すごくないですか〜(^^) pic.twitter.com/zdYHoeqR4g— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2018年9月27日
そりゃそうだ。
朝令暮改に変えられるプロシステムの結果、隠れレベルアップが世界に7人(デザーニ選手や佐藤レイ選手)いたり、有志の作成した表が一番わかりやすいという体たらくとなっています。
チーム戦の有無や、PTの増加と定員減による現行システムの変更の有無、シルバーなんちゃらの大失敗と、ウィザーズの管理能力は低いといわざるおえません。
それに、米国発祥のゲームとはいえ、これだけワールドワイドなゲームに成長したというのに、PT開催地の偏り様。せめて、日本でやりましょうよ(願望)。
もともと、ウィザーズにとって、プロ制度は予算食いと感じているのだと思います。一介の営利企業であり、そもそも、プロを養う義務などないといえばそれまでです。
そのくせ、スポンサーを見つけるよう促し(これが難しい!)同業他社でありながら、ある程度筋を通していたと思われるサイゲームスに対する扱い。
市川プロに対する、名場面シーンをあれほど流しておいて、優待券の1枚も送らないケチさ加減――それもこれも、プロ軽視といえば軽視でしょう。
MTGのプロとは何なのか。
当ブログでも、「プロゲーマーときどとMTGのプロ」というタイトルで一度記事にしましたが、再度ウィザーズにも、選手にも、そしてファンにも突きつけられることになった命題なのではないでしょうか。
しかし、PTの回数増加に対する選手抑制って、PPTQの廃止しかないんじゃないかなーっと思います。
PPTQ制度は基本苦行ですしね。
PTQは抜けたらラッキーという気持ちで向かえますが、PPTQは抜けないと徒労になってしまいます。
久々に参加した関東草の根トーナメントの雄、PWCの参加人数が34人だったのをみて、愕然としましたが、PPTQの参加人数、体感だと落ちてきているように感じますね。
同日の晴れる屋トーナメントセンターの多さといったら。
この抗議の出場辞退に対し、ウィザーズはだんまりを決め込んでいます。
それもまた、ウィザーズによるプロプレイヤー軽視の現れといえるでしょう。
さて、2つ目です。
行弘賢選手、世界選手権でDQ(トーナメントから退場)
もうね……何と言ったらいいか。
僕の心が弱かったので、DQになりました。メイン戦でサイドボードのカードを引いたターンに申告せず、次のターンに申告したためです。— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
応援してくれた方
トーナメントに関わった方
大舞台を台無しにしてしまい大変申し訳ございませんでした。
色々意見あると思いますが世界最高峰の舞台で戦ってる以上厳しい裁定が出るのは当然です— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
正しくあろうとしましたがそうでない瞬間が生まれた時点で僕が全面的に悪いです
ジャッジの方には、きちんと裁定を出してくれたことに感謝してます
以後心が弱くなったら今日のことを思い出したいと思います
ただただ今は僕自身のことではなく、応援してくれた方、トーナメント関係者に対して申し訳なく思ってます。— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
謝っても謝りきれないことだと思いますので、今回のことを教訓に今後はより模範的なプレイをして、皆に認めていただけるよう頑張りたいと思います。
とはいえ、海外の方、日本の方からの励ましは正直凄く救われています。皆さまの期待を裏切らないように今後とも頑張ります。— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
取り敢えず泥のように10時間くらい寝ました今は朝7時。— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
皆様の応援のリプライ、ありがとうございます。全てに返信させていただきたいとこですが、ちょっと厳しそうなのでこの場でお礼申し上げます。皆様の期待を裏切らぬよう一層精進してまいります。
また、厳しい意見も合わせていただいてます。
続
そちらも勿論目を通させていただいてます。自分がやった事の重大さを考えればもっともな意見も多く、改めて自分のした事の愚かさを認識致しました。マジックやめたら?日本代表やめたら?という意見もありますが僕自身マジックを正しくプレイしていく事で今後皆様に認めていただきたく思いますので— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
続
サスペンドがでない限りはマジックを続けていこうと思います— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2018年9月23日
MTGは厳格なゲームであり、それもまた僕の愛するMTGです
今回はこのような事になりましたが、なって当然だと思いますし、なるからこそMTGの面白さは担保されていると思います
今はとにかく楽しむの原点に帰ってMTGしたいと思います
息が詰まるようなツイートです(スロットの件は、うん、本当に反省してるんだろうかいなとは思いました)
行弘選手は、今シーズン、素晴らしい活躍でした。
殿堂入りの権利の獲得、世界選手権招待、日本代表チャンピオン――前シーズンも、チーム武蔵の一員として、チーム王者に輝いています。
まさしく、日本のトッププロの一員でした。
だからこそ――しかも、世界選手権終盤、まだまだベスト4を狙える位置にいたというのに。
Ken Yukuhiro is out here at the #MTGChamp, casually casting Tempest Djinn like it's always been in style pic.twitter.com/k2mYcIoGk7— Magic Pro Tour (@magicprotour) 2018年9月21日
サイドボードのカードを引いた時、どのような考えが行弘選手の脳裏をよぎったのか、それは、同じ立ち位置にならなければわからないことでしょう。
賞金、名誉、それまでの練習、スポンサー、腰痛を克服してプロを名乗ったことetcetc。
即時申告しなければならなかった。MTGプレイヤーとして当然のことです。
マッチロスとDQは、大きな違いです。
今後、サスペンド(出場停止)が出される恐れがないとはいいきれません。
現在、日本代表キャプテンは行弘選手のままです。
願わくばWMQで、今回のDQを拭い去る活躍があらんことを。
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