2018年9月28日金曜日

世界選手権2018―Thompson選手の辞退と行弘選手のDQ―

MTG世界最高峰のトーナメント――そう謳う、世界選手権2018は終わりを告げました。


世界王者のタイトルは『ハビエル・ドミンゲス選手』の頭上に輝き。

チーム王者は『Ultimate Guard Pro team』が獲得しました。

しかし――今後の競技シーンに波紋を投げかける、二つのトピックスが生じました

出場辞退、そして失格処分です。




まず一つ目。

Gerry Thompson選手、出場辞退。

それも、はっきりと、プロプレイヤーの扱いに対する抗議として世界選手権を辞退したのです。PTではなく、世界選手権。狙い澄ました、一撃でしょう。

この件に関しては、ウィザーズに関する抗議文と、LSVによるインタビュー記事、また、ありがたいことに翻訳がされています。

原文:I'm Gerry Thompson, a Professional Magic Player, and I'm Protesting the State of Professional Magic by Refusing to Play in the World Championship

有難い有志の方の翻訳byアラビア湾が見えたよ:【翻訳】プロプレイヤーの扱いに抗議するべく世界選手権の参加を取りやめたプロプレイヤーの主張【Reddit】

原文:Gerry Thompson on his Decision to Sit Out the 2018 Magic: The Gathering World Championship


有難い有志の訳文byGathered:【翻訳】世界選手権を辞退したThompson選手にLSVがインタビュー 


 以下、日本のプロのツイートをば。














個人的な意見として、今回の世界選手権はひどいものであり、抗議の辞退はもっともだと思います。

原根プロのツイートにある通り、 次週にプレリリースを迎える死に体のスタンダードとドミナリアのドラフトをわざわざ見たいという人はいないでしょう。

そう、死に体です。間違いなく、死に体でしょう。

そのうえ、この環境は、禁止改定を繰り返しながらも結局のところ。



この結果に落ち着きました。驚きはない――それじゃあ、駄目でしょう。何のための世界選手権なんだと。

放送に関しても、何とも観辛いスリーブをつけるため、盤面把握をし難いという体たらく。


そりゃそうだ。

朝令暮改に変えられるプロシステムの結果、隠れレベルアップが世界に7人(デザーニ選手や佐藤レイ選手)いたり、有志の作成した表が一番わかりやすいという体たらくとなっています。

チーム戦の有無や、PTの増加と定員減による現行システムの変更の有無、シルバーなんちゃらの大失敗と、ウィザーズの管理能力は低いといわざるおえません。

それに、米国発祥のゲームとはいえ、これだけワールドワイドなゲームに成長したというのに、PT開催地の偏り様。せめて、日本でやりましょうよ(願望)。

もともと、ウィザーズにとって、プロ制度は予算食いと感じているのだと思います。一介の営利企業であり、そもそも、プロを養う義務などないといえばそれまでです。

そのくせ、スポンサーを見つけるよう促し(これが難しい!)同業他社でありながら、ある程度筋を通していたと思われるサイゲームスに対する扱い。

市川プロに対する、名場面シーンをあれほど流しておいて、優待券の1枚も送らないケチさ加減――それもこれも、プロ軽視といえば軽視でしょう。

MTGのプロとは何なのか。

当ブログでも、「プロゲーマーときどとMTGのプロ」というタイトルで一度記事にしましたが、再度ウィザーズにも、選手にも、そしてファンにも突きつけられることになった命題なのではないでしょうか。

しかし、PTの回数増加に対する選手抑制って、PPTQの廃止しかないんじゃないかなーっと思います。

PPTQ制度は基本苦行ですしね。

PTQは抜けたらラッキーという気持ちで向かえますが、PPTQは抜けないと徒労になってしまいます。

久々に参加した関東草の根トーナメントの雄、PWCの参加人数が34人だったのをみて、愕然としましたが、PPTQの参加人数、体感だと落ちてきているように感じますね。

同日の晴れる屋トーナメントセンターの多さといったら。

この抗議の出場辞退に対し、ウィザーズはだんまりを決め込んでいます。

それもまた、ウィザーズによるプロプレイヤー軽視の現れといえるでしょう。



さて、2つ目です。

行弘賢選手、世界選手権でDQ(トーナメントから退場)


もうね……何と言ったらいいか。













息が詰まるようなツイートです(スロットの件は、うん、本当に反省してるんだろうかいなとは思いました)

行弘選手は、今シーズン、素晴らしい活躍でした。

殿堂入りの権利の獲得、世界選手権招待、日本代表チャンピオン――前シーズンも、チーム武蔵の一員として、チーム王者に輝いています。

まさしく、日本のトッププロの一員でした。

だからこそ――しかも、世界選手権終盤、まだまだベスト4を狙える位置にいたというのに。

サイドボードのカードを引いた時、どのような考えが行弘選手の脳裏をよぎったのか、それは、同じ立ち位置にならなければわからないことでしょう。

賞金、名誉、それまでの練習、スポンサー、腰痛を克服してプロを名乗ったことetcetc。

即時申告しなければならなかった。MTGプレイヤーとして当然のことです。

マッチロスとDQは、大きな違いです。

今後、サスペンド(出場停止)が出される恐れがないとはいいきれません。

現在、日本代表キャプテンは行弘選手のままです。

願わくばWMQで、今回のDQを拭い去る活躍があらんことを。


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