2018年6月4日月曜日

PTドミナリア、優勝は赤単アグロ! ベスト8に28枚の《ゴブリンの鎖回し》!

28枚!?


まわすぞー


アメリカ合衆国リッチモンドで、6月1~3日にかけて開催されたPTドミナリア

優勝は赤単アグロを使用したWyatt Darby選手となりました。









決勝戦最終ゲーム、残ライフ1から、《栄光をもたらすもの》トップデッキにより対戦相手のライフ11点を一瞬で削り切り、栄冠を手にしたのです。

【赤単アグロ】

クリーチャー:26枚
4《損魂魔道士》
3《ボーマットの急使》
4《地揺すりのケンラ》
2《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
4《ゴブリンの鎖鳴らし》
2《アン一門の壊し屋》
4《熱烈の神ハゾレト》
3《再燃するスフィンクス》

呪文:10枚
3《ショック》
4《削剥》
3《稲妻の一撃》

土地:24枚
24《山》

サイドボード
3《チャンドラの敗北》
3《火による戦い》
3《反逆の先導者、チャンドラ》
3《栄光をもたらすもの》
2《霊気圏の収集艇》
1《宝物の地図》

赤同型最強カードである《熱烈の神ハゾレト》を4枚採用。

ティムールエネルギー隆盛の時代より続く、由緒正しきラムナプレッドの嫡流です。

赤黒と比較すると、マナベースが安定しており(山24枚!)、《屑鉄のたかり屋》や《キランの真意号》といった攻めに強いカードが不採用となることで、防御面の向上が図られています。

この構成であれば、防御面で劣り若干重い傾向にある赤黒アグロに対して、1テンポ早くライフレースを差し切ることが可能になると思います。

さて、冒頭に述べたように、《ゴブリンの鎖回し》がベスト8中28枚使用されました。

一つのデッキに入れられる、同じ名前のカードは4枚。

つまり・・・トップ8の使用デッキですが、

赤単アグロ2名
赤黒アグロ4名
赤黒ミッドレンジ1名
エスパーコントロール1名。

『ドミナリア』発売一か月、成熟した環境は見事に赤く染まりました。

実に、この大会では、170名以上のプレイヤーが鎖を回したそうです(注目のカード:ゴブリンの鎖回しより)

スタンダード成績上位者(8-2以上)に目を移しても、

赤黒アグロ7名
赤黒ミッドレンジ4名
赤単アグロ4名
鉄葉ストンピィ2名
青白コントロール1名
エスパーコントロール1名
白黒機体1名

以前にも記事にしましたが、赤系アグロ~ミッドレンジが環境のど真ん中かつ、Tir1の強デッキとして君臨しているということです。

対抗馬として挙げられていた青白コントロールは敢え無く壊滅。

エスパーコントロールを使用した渡辺プロや八十岡プロが初日落ちという結果に。

現在、筆者も愛用している青黒ミッドレンジでは、津村プロが7-3という成績を収め気を吐きました。

やはり、以前も書きましたが、赤系の多様な攻めは環境随一であり対処は困難です。

対処するには、赤系を使うのが一番楽という体たらくなのです。

現在公開されているコアセット2019のカードは、初心者向けのバニラカードが多く、とても環境に影響を与えられるとは思えません。

この停滞した環境を動かすには、禁止カードの発行が必要なのかもしれません。

現状、《ゴブリンの鎖鳴らし》が禁止カード筆頭なのは間違いないでしょう。

何より、現在の禁止カードリストには、《暴れ回るフェロキドン》が存在します。

低マナ域を咎め、PWを処理し、プレイヤーにダメージを与えるという八面六臂の活躍に、メインボード4枚積みがほぼ確定。

3か月の命だった哀れな恐竜の上位互換ともいえる《ゴブリンの鎖回し》を禁止することに、何の不都合があるでしょうか。




問題は、もはや禁止カードを1枚制定したところで、赤系デッキの蛮勇は止まらないと思える点です。

各エキスパンジョン毎に、強力なカードを手に入れてきた赤系アグロ。

その強さはデッキ全体が持っているいわば厚みのようなものであり、強力なカード1枚に引っ張られているわけではありません。《ボーマットの急使》、《地揺すりのケンラ》、《キランの真意号》、《屑鉄のたかり屋》、《マグマのしぶき》、《削剥》、《アン一門の壊し屋》、《再燃するフェニックス》、《熱烈の神ハゾレト》、《反逆の先導者、チャンドラ》、《栄光をもたらすもの》etcetcと、各マナ域の各カードが強いのです。

これから、ウィザーズは環境の舵取りをどう行っていくのでしょうか。

また、新セット発売から間をおいて開催されるPTですが、サイゲームス所属プロより提言が。




以前のように発売後2週間という混沌とした環境の方が、新鮮味がある分だけ見ている方には楽しそうですね。それに、カードの値段の乱高下も楽しめます笑。

公式カバレージも読み応えがありますが、それ以外に、晴れる屋、チームサイゲームスがPT『ドミナリア』のレポートを挙げています。


プロツアー『ドミナリア』現地リポートby晴れる屋



サイゲームスレポート


特に、サイゲームスの記事はドラフト・構築ともに読み応えがあります(イベント毎にまとまっていないのが難点笑)晴れる屋は、所属選手の紹介という色合いが強いかな……大所帯ですからね。それでも、毎回毎回、取材を敢行しており、頭が下がります。イゼ速を傘下に収めていますし、記事の大部分を書かれている渡辺和樹さんは専属ライターなのかな?

2日目スタンダードラウンドまとめbyTeam Cygames

サイゲームス所属選手である八十岡選手・渡辺選手・市川選手・山本選手は、青黒を主軸にしたエスパーコントロール(青黒コントロールtテフェリー)を使用しました。


結果はあまり振るわず、先に述べたように殿堂プレイヤーである八十岡選手・渡辺選手が初日落ちとなっています。




【エスパーコントロール】
クリーチャー:4枚
1《スカラベの神》
3《奔流の機械巨人》

呪文:29枚
4《致命的な一押し》
4《不許可》
4《ヴラスカの侮辱》
3《天才の片鱗》
2《中略》
2《霊気溶融》
2《アズカンタの探索》
1《喪心》
1《本質の散乱》
1《否認》
1《俗物の放棄》
1《至高の意志》
3《ドミナリアの英雄、テフェリー》

サイドボード
4《光袖会の収集者》
2《守られた霊気泥棒》
2《否認》
2《強迫》
1《スカラベの神》
1《霊気溶融》
1《アルゲールの断血》
1《喪心》
1《魔術遠眼鏡》




赤黒ミッドレンジと青白コントロールに対しては5分以上、早い赤単には厳しいということで、微妙にメタゲームを外してしまったようです。

このアグロ環境で《天才の片鱗》使用するのは、少し厳しいのかもしれません。

《霊気拠点》を使用していれば、タッチ白はたやすい。つまり青黒ミッドレンジにも?

斎藤選手やデザーニ選手は、PW多めの青黒コントロールを使用しています。



1~3ターン目にかけて妨害を行い、4ターン目に《ウルザの後継、カーン》等、対処を要求するカードをプレイし、プレッシャーをかけていく――赤系が隆盛する現在の環境の解のような気がします。




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