私は頭を抱えています。
環境末期の今になって、使用に耐えうるデッキがなくなってしまったのです。
初めに
・4月の大会に向けて
・青黒ミッドレンジ調整記
にて、グリクシスエネルギーと青黒ミッドレンジを選択肢にあげ、青黒ミッドレンジに絞ったといいました。
その際のデッキがこれになります。
2 《歩行バリスタ》
4 《光袖会の収集者》
3 《薄暮軍団の盲信者》
4 《機知の勇者》
2 《豪華の王、ゴンティ》
3 《スカラベの神》
2 《奔流の機械巨人》
-クリーチャー (20)-
4 《致命的な一押し》
4 《ヴラスカの侮辱》
2 《暗記+記憶》
-呪文 (10)-
7 《沼》
4 《島》
4 《異臭の池》
4 《水没した地下墓地》
4 《霊気拠点》
2 《廃墟の地》
1 《オラーズカの拱門》
-土地 (26)-
残念ながら、この構成は・・・没になりました。
ええ、没です没。
どうして没なのか――その説明の前に、まずは現環境のおさらいです。
現環境と、青黒ミッドレンジの弱点
・ビートダウン
赤単アグロ(赤黒アグロを含む)・吸血鬼トークン
・アグロ寄りミッドレンジ
スゥルタイエネルギー・RGモンスター
・コントロール寄りミッドレンジ
グリクシスエネルギー・青黒ミッドレンジ
・コントロール:
青黒コントロール・副陽コントロール
・コンボ:青白ギフト
禁止カードの連発により、現環境では多数のデッキが存在しています。ざっくりとまとめてみましたが、他にもサイクリングや緑単ガルダ等々、多数存在しています。多様な戦略は、ウィザーズが禁止カード策定時の提言にもありました。
それがMTG界隈における盛り上がりに貢献したかどうかは別なのですが。やはり、PTはスタンダードの方が良かったのではと個人的に思います。
PPTQの存在に、GPTやPTQの廃止、GPでのスタン外しは、環境を追い続ける意味合いを削いでいるのではないでしょうか。
閑話休題。
さて、前回の記事であげたレシピの問題点――いえ、そもそも、青黒ミッドレンジの抱える根本的な問題点でしょうか。
青黒ミッドレンジの立ち位置はというと、ミッドレンジ界隈の中でもかなり重い方といえるでしょう。
重い――というのも、盤面に触れることができる軽量カードが少なすぎるのです。
上記のレシピでは、軽量除去は《致命的な一押し》4枚のみとなっています。《歩行バリスタ》も、一応はタフネス1も除去可能ですが・・・これで除去できるクリーチャーはほとんどいません。かといって、対戦相手に相打ちを強いれるようなクリーチャーも入っていません。
除去カードで盤面を裁くことも、クリーチャーで相打ちを強いることもできないというのは、現環境において、大きな弱点です。
4ターン目以降であれば、《ヴラスカの侮辱》という、環境最強の除去が使用できます。しかし、その前にテンポ負けしてしまい、《スカラベの神》が着地しても捲ることが出来ないことが多々ありました。
・《巻きつき蛇》
・《ボーマットの急使》
・《光袖会の収集者》
・《機知の勇者》
・《つむじ風の巨匠》
青黒ミッドレンジにおいて、軽量かつ、システムクリーチャーへの対処は非常に困難といえます。
そして、環境における軽量クリーチャーは・・・大体、システムクリーチャーですよね。
3マナ以下のクリーチャーが全部厳しいというのは、致命的です。
1ターン目:《致命的な一押し》
2ターン目:《光袖会の収集者》
3ターン目:《機知の勇者》
4ターン目:《ヴラスカの侮辱》
5ターン目:《スカラベの神》
6ターン目:《奔流の機械巨人》
これが理想的な動きですが、あまりにも自分の動きを押し付け過ぎる――同型~コントロールデッキを意識しすぎています。
いくつかのデッキと対戦し、あまりにも序盤に弱いため、メインに《才気ある霊気体》を入れてみました。それに伴い、《薄暮軍団の盲信者》が枚数を減らしていっています。
ですが、結局は焼け石に水なのです。
ウィザーズのもたらした、クリーチャーによる殴り合い優先と除去の偏りが、このデッキの限界をもたらしているのでしょう。除去といえば黒という時代も今は昔です。
せめて、《不死/回帰》がインスタントであれば、《闇の掌握》が今も環境にあれば――ないものねだりではありますが。
あとは、3or4マナに、もう少し優秀なクリーチャーがいれば良かったのですが。
3マナは、《機知の勇者》ほぼ一択。4マナのクリーチャーは《豪華の王、ゴンティ》・《人質とり》・《貪欲なチュパカブラ》と、サイズが小さく、それぞれに一長一短――よく似た一長一短です。アドバンテージ・除去・即時性と、それぞれ長所はありますが、如何せん盤面への影響が小さいのです。4マナはらって2/3以下のスペックは、熾烈な戦場において頼りなさすぎます。
環境最強の除去色は赤です。
黒は、一応、環境最強の除去とされる《ヴラスカの侮辱》を有していますが、大きな弱点があります。しょせんは単体除去であり、4マナという重さは、複数のクリーチャーで押されると無力となります。また、《顕在的防御》や、カウンター呪文で弾かれた瞬間に、テンポで追いつくことが不可能になってしまいます。
そうなってくると、グリクシスエネルギーがまた候補に挙がってきます。
・《マグマのしぶき》
・《削剥》
・《蓄霊稲妻》
テンポに優れた優秀な除去に加え、《つむじ風の巨匠》、《反逆の先導者、チャンドラ》に《ヴラスカの侮辱》を使用することができれば、ビートダウンに立ち向かうには十分な戦力といえるでしょう。そして、《削剥》の重要性です。《削剥》の重要性が、GPシアトルにて大きく向上したのです。
・赤青ギフトの大躍進
GPシアトル2位
4《ボーマットの急使》4《査問長官》
4《狂信的扇動者》
4《戦凧の匪賊》
4《歩行バリスタ》
4《機知の勇者》
4《戦闘の祝賀者》
2《戦利品の魔道士》
2《多面相の侍臣》
―クリーチャー(32) ―
4《来世への門》
2《王神の贈り物》
―呪文(6)―
4《尖塔断の運河》
4《イプヌの細流》
4《霊気拠点》
3《島/》
5《山》
2《廃墟の地》
―土地(22)―
15
3《削剥》
3《沈黙の墓石》
2《発明の領事、パディーム》
2《呪文貫き》
2《焼けつく双陽》
2《否認》
1《ジェイスの敗北》
―サイドボード(15)―
このデッキリストをみて、すぐに動きがわかった人は、本当に凄いと思います。
環境末期も末期、2週間後にドミナリアのプレリを控えているというのに、新デッキのお目見えです。GPシアトルにてベスト16に6人を送り込んだデッキ――それが、赤青ギフトです。
《戦凧の匪賊》と1点ダメージを与えるクリーチャーのシナジーに、《戦闘の祝賀者》と《王臣の贈り物》による、かっての双子コンボのような動き。
GPシアトル当日、相対したプレイヤーは成すすべなく敗れたことでしょう。
動きが独特すぎます。
ギフトデッキには欠かせないと思われていた《発明の天使》を外し、思い切って赤青にかじを切ったその構築手腕。レシピを見ても、強そうには見えませんが・・・青黒ミッドレンジには、大敵です。元々、アーティファクトやエンチャントに弱く、緑タッチまで試みられているデッキです。さらには、苦手な軽量クリーチャー。5マナ溜まった瞬間に、《来世への門》からの死が見えます。
しかし、このタイミングで、新デッキがここまで勝つとは・・・この環境は、本当にグダグダで、なんともかんとも。
結局、環境名人戦での使用デッキは白紙状態になってしまいました。不快なマナベースに目をつむり、グリクシスエネルギーを使用するのが良い気がしますが・・・。
うーむ、悩みます。
この悩みが、ドミナリア発売――環境名人戦のある4/14までというのも、大いに悩ませます。
この、徒労感。
本当に、今のスタンダードはジャンケンです。
勝てないデッキは、勝てない。モダン程の多様性がないために、勝てないデッキに当たった時の不快感を、大会中何度も感じてしまいます。
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