2020年6月11日木曜日

MTGと米国の潮流と新たな禁止カード:6/12追記

withコロナの時代――この2週間、米国を揺るがせているのは、『Black Lives Matter』という言葉だろう。

5/25に起きた事件と熱狂的な潮流は、MTG界にも影響を及ぼし始めた。



















これ、現実がゲームに影響を与えたってのもあるけど、ウィザーズの問題隠蔽のために、カードに罪を擦り付けたってことだよね。《Invoke Prejudice》のギャザー番号を1488にしていたってことは、そういう考えの企業ってことで……。

禁止カードもやばいけど(《十字軍》の禁止もそうだけど、自身の作った文化の否定って……)、企業体質の問題が指摘されている中、そういう対応をするってことは、ウィザーズは最高。








人種差別は糞だと思うし、某〇国がウィグルやチベットに対する行為はその最もたるものではないかと思案するが、MTG界隈にも波及してきた。

名作『風と共に去りぬ』が配信停止になり、WEEKLYOCHIAIでもこの話題となったばかりであり、現時点での個人的な考えをまとめたいと思う。

重ねて言うが、人種差別は糞だよ。





まずは今回禁止になったカード群。

公式文にはただ禁止にしたという宣言だけで、その詳細は明かされていない。


ちょうどカードとその理由をツィートしていたので、適宜翻訳してみてもらいたい。本文はもっと長いラインだったが、カード部分のみ抜粋した。















今回除外されたカード群のなかで、ぶっちぎりにやばいのが《Invoke Prejudice》。よくこんなもの印刷できたなという代物である。イラストもテキストもイラストレーターもギャザーの番号もやばい代物で、四半世紀以上野放しにしていたウィザーズの良識を疑う……。

と、あのウィザーズが、雇用面で話題になっているウィザーズが、渡辺プロに対し差別用語を連発していたプレイヤーのMPL入りを行った最高の企業であるウィザーズが、今回の処置を行った――それだけ、米国では大きな熱量を持った動きになっているのだろうと思う。

矛先が向いた瞬間、色々と終わりだからね。それは物理的にも、社会的にもである。略奪された街並みを見よという話だ。

とはいえ、この運動の行きつく先がよく見えないし、そもそもどうしてこうなったのか、発端はなんだっけという部分の話を進めていこう。

もはやMTGは関係なく――それは話の切っ掛けである。

5/25にフロイド氏が警察に取り押さえられ、死に至るという動画が拡散し、それを切っ掛けにBMLが始まった。

米国の成り立ち――それこそ南北戦争や、大英帝国の植民地政策や、長きに渡る――今も続く――その歴史を鑑みるに、簡単に解決できるものではないだろうと思う。

今回、マグマのように一気に噴きあがったのは、様々な要因があるのだろう。

例えば、テクノロジーの発達――誰もが、スマートフォンでカメラマンになれる時代である。決定的瞬間を手に出来るのは、戦場カメラマンの特権ではない。そして、1個人が1メディアという時代、SNSの発達により、情報の拡散は十年前と雲泥の差だ。

例えば、コロナ――新型コロナウィルスにより、米国はロックダウンを行った。今、世界で最もコロナウィルスへの対応を迫られているのが米国だ。元々銃社会である米国は、否応なく死と向き合わざるえない国だが、見えない敵と対峙するストレスは、家庭内暴力が問題になったように非常に大きい。

例えば、経済――資本主義という制度上の危険因子である貧富の差は、米国でも顕著にある。それが、新型コロナにより天文学的失業者と合わされば、致命的な断絶の元である。

例えば、断絶――米国という一集団への帰属意識は、トランプ大統領の元、断絶に向っているのかもしれない。

例えば、肥大化した警察組織――銃社会と対峙するには、強力な権力を必要とするが。

少し情報の切り口を変えると、発端である5/25の事件の違う面が見えてくるかもしれない。

この事件は人種差別による社会制度の捻じれによるものなのか、差別主義者の利己的な行いなのか、警察組織の腐敗によるものなのか――犯罪者を抑えるための正当防衛なのか、様々な側面があるわけだ。

黒人を白人が取り押さえ殺した。

容疑者を警察官が取り押さえ殺した。

前科5犯の容疑者を警察官が取り押さえ、死に至った。

前科5犯で妊婦への拳銃を用いた強盗事件で懲役刑、偽札を用いドラッグを服薬していて脱走しようとした犯人を、妻は有色人種で多数殉職する危険な仕事な警察官が、無抵抗な状態にもかかわらず長時間にわたり頸部を膝で押さえ窒息死に至らしめた。

これも情報の切り取り方で、感じ方は変わるだろう。

当ブログも公正明大かといわれると、多分に私情が混じっているのは間違いない。

もとより色々な見方があるだろうし、米国の抱える問題――というか、それこそグローバル社会における地球全体の問題なのだろう。イエスキリストの時代から、克服できない原罪だ。

この運動の成果の一つが、警察組織の解体と社会福祉費の予算の振り分けである。どういう結果になるのか気になるところである。

単純に考えれば治安が悪化しそうだなと思うけれど、巨大になりすぎた警察組織の浄化になったりするのだろうか。

ANTIFAの動きはきな臭く、その意図がどういう形なのか――想像するに、恐ろしい。

元々、自衛の国だし?

銃をもつ権利は、そのためだよね――その結果、警官の重武装も進んだのだろう。武器には武器をである。

強カードには強カード、オーコが暴れるならウーロをぶつけ、それで駄目ならウギンで蓋を。

動きが拙速――というか、噴きあがった熱量が高すぎて、何がどうなっていくのか、どこに向っていくのか、不明である。現状は混沌を重ねている状況で、当事者も何を目的にしているのかわかっていない感じがある。

もはや卵が先か鶏が先か、でも動き始めているしという。暴徒化している地域もあって、略奪の痕をみれば軍の派遣の検討も頷けるし、平和的デモにやるのも、民主主義国家としてどうなのという面もある。

ちなみに、所謂有色人種の命も大事だとは思うし、データを見るに一番死んでるような気がする。

あれ?

さて、そこから創造物への影響が出始めているが、この動きが現代の焚書にならないことを祈るばかりだ。

客観的な指標というものを出すのは難しく、主観に訴えるしかない。創造物に罪はないというには、社会情勢が許さない。ウィザーズの取りうる選択肢はほとんどなかっただろう。

日本だって例に漏れない。誕生日で揉めたヒーローアカデミアや、フェミニズムの対象になった女性作家の鬼滅の刃、青少年条例に放送禁止番組にチビクロサンボ等々、等々。

表現の自由は建前で、サンジのタバコが許されない米国も、そんなにそんなにだったか。

個人的には、こういう動きはどうしても赤狩りを想起してしまうので、そんな時代にはならないでほしいと思う。

とりあえず、ウィザーズは雇用条件は見直した方がいいかもしれないけど、あくまで噂程度だしね。

つらつらと並べてきたが、差別主義者はいなくなればいいと思う。

何が差別の問題なのか――その問題はどうしていけば、いい方向に向かっていくのか――を、考え行動していければいいよね。

幸いにして、日本は、極めて民主主義な国家だ。連日のコロナ渦や拉致被害の報道を見るに、こと報道の中立性に関しては、ほとんどないと思っているけれど、まだ民主主義国家である。急に秘密警察がきて、問答無用で殺されるわけではない。

社会的にやられることはあるが。

とまぁ、MTGに関してのみではなく、米国の一連の運動に関して。

前段で行弘プロのツィートをあげたが、これは至言――世界中を旅してきたプロプレイヤーだからこそ、重みのある言葉である。

最後に気になる点は――こうして、全米――世界各地でデモが起こっているが、健康上……つまり、新型コロナウィルスに対して、大丈夫なのだろうか。

対処した警察官や州兵の中には、感染がみつかっているようだし、濃厚接触+飛沫感染で感染者数が増えそうだけれど……。


















ウィザーズは本当に最高の企業だよなぁ(糞デカため息)。

差別体質企業な疑いがあるけどそれは置いといて、とりあえずカードを禁止してお茶濁したいなーってことになるのか。

よかった、MTGプレイヤーはまともで、ウィザーズは最高の企業で。

斜め上の決定をしてその場を姑息に凌ごうとして、墓穴をどんどん掘っていくのがウィザーズの企業体質。





現実が創造物に影響を与えるというよりも、ウィザーズの問題隠蔽のために、スケープゴートにされた感。この後の動きがどうなるのかなー。

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