2020年7月16日木曜日

ヒストリックで遊んでみよう①――緑単エルフ――

構築済みパックという新たなコンセプト――ジャンプスタートがアリーナに登場する。

7/17より、ジャンプスタートを入手出来る限定構築イベントが開催される。



また、最大賞金2000$のアリーナオープンが再び開催。

フォーマットはヒストリックだ。

《運命のきずな》や《炎樹族の使者》etcetcが禁止され、何となく落ち着いたような落ち着いていないような、元々空気のようにほとんど興味を集めていなかったフォーマットだが、せっかくウィザーズがお膳立てしてくれたので手を出してみよう。

そう、冒頭に述べたようにジャンプスタートが投入され、ヒストリック環境は大きく変容する。

モダンホライゾンの投入された、モダンのようにだ。

どうでもよさそうなリミテッド専用カードから、構築で名を馳せた一線級のカードまで、その中身は混沌の一言。

アリーナと実物で収録カードが違うというドタバタ劇をみるに、ヒストリック環境で使えると、最初は考えていなかったんだろうと思わなくもないが――何はともあれ、小出しに追加されていたヒストリックアンソロジーなど比べ物にならないほどの環境の変化が訪れたわけだ。

新環境が与えられれば、遊びたいのがウィザーズの忠実な下僕たるMTGプレイヤーの定め。

《破滅の龍、ニコル・ボーラス》を使いたいしね。

そう、最初に作成するデッキは――グリ……ぐ、頭が、緑、そう、緑を使わなければ、《墓所のタイタン》の前に、《残酷な根本原理》の前に、緑、蛞蝓焼きが好きなPWの色……エルフだ。



【緑単エルフ】

クリーチャー:35枚
4《ラノワールのエルフ》
2《生皮収集家》
2《アロサウルス飼い》
4《エルフの幻想家》
2《レンの地の克服者》
4《ドゥイネンの精鋭》
4《エルフの部族呼び》
2《獣相のシャーマン》
4《エルフの大ドルイド》
2《鉄葉のチャンピオン》
4《傲慢な完全者》
1《孔蹄のビヒモス》

呪文:3枚
3《暴走の先導》

土地:22枚
20《森》
2《ギャレンブリグ城》

サイドボード
3《再利用の賢者》
3《スラーグ牙》
3《漁る軟泥》
3《原初の力》
3《英雄的介入》








エルフ――《ラノワールのエルフ》を起源とする、緑の代表的な種族だ。その本質は、枝を折れば骨を折って贖ったり、マナ出してロード出して殴って終了だったり!

オンスロート時代から、エルフの動きは大体そんなものである――ごめん、嘘。このブログ、結構間違う。

オンスロート+ミラディン期は《頭蓋骨締め》で虫トークンを〆て爆アドするデッキだったわ。

ローウィンの緑黒エルフは強力なミッドレンジ。《傲慢な完全者》や《レンの地の克服者》といった少数の強力なエルフに、《タルモゴイフ》や《野生語りのガラク》を組み合わせていた。

ゼンディガー時代のエルフは、ロードによる部族戦略と緑の優秀PWによるごり押しデッキだった。《復讐蔦》を採用することもあったけどね。

ジャンプスタートで有用なエルフの数は随分と増えた。《エルフの大ドルイド》、《ドゥイネンの精鋭》、etcetc。《エルフの大ドルイド》の加入は、特に大きい。ロード能力かつ、一気にマナを伸ばせる、エルフを体現したカードだ。

ヒストリックアンソロジーでも、《エルフの幻想家》に《傲慢な完全者》に《獣相のシャーマン》の追加とエルフという部族は優遇されてきた。

現代MTGにおいて、レガシーとモダンでエルフデッキの姿を垣間見ることができる。

レガシーのエルフは、《ガイアの揺籃の地》は最強のエルフ土地を活かす形であり、モダンのエルフは《集合する中隊》のカードパワーを生かした構成――親和エルフと呼ばれるデッキだ。

《集合する中隊》を使用するデッキであれば、カウンターカンパニーの方がコンボがある分強いということで、モダン界の親和エルフは日陰に追いやられているが。

では、ヒストリックでは――残念ながら《召喚の調べ》のような強力なサーチ呪文は存在しない。

《破滅の終焉》が使用できる程度だ。アドバンテージ源としては、イコリアでこっそりと《暴走の先導》が追加されている。《集合する中隊》とは比べるべくもないが、カードを複数枚引ける可能がある。


しかし、エルフクリーチャーに目を転じれば、先ほども述べたように、着実に駒が揃いつつある。








2ターン目に出した《エルフの大ドルイド》が生き残れば、あっという間に勝つかもしれない、そんなデッキ。

Killターンは5ターン目かな?

展開するターンと攻めるターンの両方を必要とするのが、エルフデッキの弱点である。クリーチャーからマナを出す関係上、両者を同時に行うことは難しい。

《群れのシャーマン》はその両方を兼ねつつ、エルフの苦手な絡め手となるいいカードだった。

一応、このデッキであれば、《生皮収集家》→《レンの地の克服者》→《鉄葉のチャンピオン》→ロードと展開することで4Killも可能だ。

ターン数:ダメージ
1ターン目:0点
2ターン目:2点
3ターン目:3点+3点
4ターン目:4点+4点+6点=死亡

妨害なしのMTGなど存在しないが、一応そんなぶん回りもある。

ただ、この展開はあくまでサブプランに留めている。単体で強力なカードを展開していくのは、今回のエルフデッキの戦略軸とは異なっている。《生皮収集家》、後引きで弱いしね。なるべく、数を並べていく方が、複数存在するロードカードを活かすことが出来る。

ジャンプスタート新規カードの《アロサウルス飼い》はもしかしたらエズーリになれるかもしれないカード。打ち消されないし、5/5になれるしと、小さなマナ域に複数の能力を投入している。

《さまようもの》とは違うのだ。

このカードも合わせて、ロードは15枚(ビヒモス含む)。

マナを出したり、仲間を呼んだり、トークンを出したりと複数効果を持つエルフ達だ。

ラスゴに弱いのは部族デッキの宿命といえるが、《エルフの幻想家》で手札の枚数を確保したり、《獣相のシャーマン》でサーチしたり、《傲慢な完全者》でトークンを出したり、《暴走の先導》で爆アドを稼いで対抗していこう。

2回ぐらいなら、全体除去を凌げる。むしろ、早期にフィニッシャーを出される方が辛いだろう。

全体除去→再展開→アタックと、どうしてもラグが発生してしまう。その点は、速攻を擁するゴブリンとの違いといえる。

あくまで、エルフは地上の種族。《死者の原野》のトークンを突破できずに全体除去を連発されると辛い展開になるだろう。

ロードを重ね掛けするか、ビヒモスで突破するしかない。

無駄にレアカードが多いデッキだが、相手の妨害がなければ面白い動きをするデッキだ。




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