さらなる施策――アモンケット・マスターズの導入により、環境は新たな変容の刻を迎える。
【アモンケット】と【破滅の刻】のカードをある程度選別して新たなセットに。
《熱烈の神、ハゾレト》、《損魂魔道士》、《栄光をもたらすもの》、禁止カードとなった《ラムナプの砂漠》といったラムナプレッドのキーカードを筆頭に、最強の神である《スカラベの神》、そして《王神、ニコル・ボーラス》等々、等々。
直前のセットであるカラディシュブロックと比較すれば、カードパワーとして見劣りするのは否めないものの、下環境でも使われている強力カードが存在する。
スタン落ちしているため、遊べる機会が限られているセットとなる。そんな我々を哀れに思い、あの世界最高の企業であるウィザーズ様がリマスターして一つのセットにまとめてくれた。それはそれは素晴らしいセットになっているはずだ。
しかも値段は据え置き!
値段は据え置き!
アモンケットリマスターのカードリストチェックした。とりあえず《焼けつく双陽》と《神々の憤怒》、《力ずく》と《粉砕の嵐》を同一セット内に入れたのはセンス0。わざわざ特別収録枠使う必要あった?? pic.twitter.com/LOrLLsWKbO— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) August 12, 2020
いやぁ、素晴らしいセットですね。
今回のアモンケットリマスターには新規追加カードが含まれている。いわゆるテコ入れ策だ。正直、見劣りするセットではあるしね(手の平クルフィックス)。
ヒストリックアンソロジーのようなもので、14枚の新カードがお目見えしている。
今までのアンソロジーは強すぎだろう(そう、《炎樹族の使者》だ)というカードから、何の冗談だというゴミ(神殿サイクル)まで玉石混交だった。
今回の中身は……。
《神の怒り》、《安らかな眠り》、《秘密の解明者、ジェイス》、《否定の契約》、《思考囲い》、《悪魔の契約》、《紅蓮の達人、チャンドラ》、《神々の憤怒》、《粉砕の嵐》、《集合する中隊》、《女王スズメバチ》、《危険な櫃》、《絶滅の王》、《スフィンクスの啓示》。
……一線級のカードがたくさん含まれているぞい?
《秘密の解明者、ジェイス》、《粉砕の嵐》、《危険な櫃》、《絶滅の王》はいらない子ですね。《紅蓮の達人、チャンドラ》も今となっては……《悪魔の契約》と《女王スズメバチ》はファンカードかな。
元祖全体除去であるラスゴ、屈指の墓地対策《安らかな眠り》、ピッチカウンターである《否定の契約》、1マナハンデス《思考囲い》、墓地対策を兼ねる《神々の憤怒》、カンパニーデッキの肝である《集合する中隊》、相手の心を折る《スフィンクスの啓示》。
《約束の刻》まで手に入れた各種原野はパイオニア構築時代よりも凄そうだし、《神の怒り》と《スフィンクスの啓示》を手に入れた青白コントロールは隆盛を迎えるかもしれない。
《集合する中隊》はエルフデッキの背中を押してくれるかもしれない。マーフォークは恩恵を受け、スピリットも緑が足される可能性がある。
新規カードに特別なモーションは追加されておらず、公開早々BO3でのランク戦が出来ないなど、ウィザーズの力の入れようがよくわかるが、そもそも特別演出のOFF機能が欲しい低スペックPCプレイヤーとしては本当に糞だがそこじゃない感じ。
【MTGアリーナ】— 《ディミーア家の食卓》を管理する者、オリバ (@DimirUB) August 13, 2020
元のマスターピース版のイラストに修正されたようです。https://t.co/2Ih9j3viO1 pic.twitter.com/HyjVBEY9QC pic.twitter.com/oCinEtjilg
アモンケットリマスターのカードがBO3ヒストリック構築で使用できないバグを認識しているとのことhttps://t.co/3c3qL8v4D8— はじめようMTGアリーナ/mtgafan (@mtgafan) August 13, 2020
《思考囲い》?
《思考囲い》???
《思考消去》で不満を言われていたのに、《思考囲い》!?
最強ハンデスカードの一角がヒストリックに殴り込み。ハンデスといえば、そう、これすなわちグリクシスの出番ですね!(いつもの)
MTG Arena Zone Historic Open(91名)で準優勝のグリクシスコントロール。— かーむ@MTGアリーナブログ (@calm_blog) August 14, 2020
グリクシスカラーのデッキはトーナメントシーンでしばらく見てなかったけど、アモンケットリマスターで結構パーツが追加された気がするので今後の研究が待たれる。 https://t.co/OxBSomPRtn pic.twitter.com/m6h7zLL5ll
【2】新環境のデッキまとめ— Jun'ya Takahashi (@rushhhhhh) August 7, 2020
「再生」が消えたことで恩恵を受けたデッキに「オロゾフヨーリオン」がある。アグロとミッドレンジには強かったデッキなので、今まさに強そうなデッキタイプ。
ヒストリックではJoel Larssonの《無垢の血》型グリクシスが活躍中。
(両リストはモーメント内)
ヒストリック環境で細々と生き残っていたグリクシス。
そのアモンケット版を並べていこうと思う。
質は全く保証しない(重要)。
【ヒストリック版グリクシス案①】
クリーチャー:4枚
4《破滅の龍、ニコル・ボーラス》
呪文:30枚
4《無垢の血》
4《思考囲い》
4《思考消去》
2《取り除き》
1《チェイナーの布告》
2《アズカンタの探索》
2《肉儀場の叫び》
3《覆いを割くもの、ナーセット》
2《絶滅の契機》
2《時の支配者、テフェリー》
3《龍神、ニコル・ボーラス》
1《王神、ニコル・ボーラス》
土地:26枚
4《湿った墓》
4《血の墓所》
4《蒸気孔》
4《水没した地下墓地》
2《龍髑髏の山頂》
2《硫黄の滝》
2《寓話の小道》
2《沼》
1《山》
1《島》
各種ハンデスから様々なボーラス様で締め上げるデッキ。
一番手は由緒正しきボーラスFAN倶楽部だ。
トップメタの一角であるオーラデッキには布告除去で対処していこう。ヒストリック環境にこっそり存在する《無垢の血》は強力である。
《流刑への道》も《剣を鋤に》も《致命的な一押し》も《稲妻》も存在しない環境において、《無垢の血》は1マナ最強除去の候補となりうる。
デッキリストをみればわかると思うが、各種《死者の原野》デッキにはほぼ勝てない構成である。
ヒストリック環境随一のミッドレンジ/コントロールキラーなためしょうがない。
いくらハンデスを唱えたところで、しょせんは1対1交換。土地が揃ってゾンビが湧き出たら終わりだし、トップ勝負では絶対に負ける。
かといって、スピード勝負も挑めない。
《探検》or《成長のらせん》→《自然の怒りのタイタン、ウーロ》or《エルフの再生者》→《不屈の巡礼者、ゴロス》or《約束の刻》GG。
ただでさえトップメタの一角だったのに《約束の刻》が追加された原野は恐ろしいデッキである。
ゴブリンは、まぁ、頑張ろう。
《無垢の血》は効果が薄く、オリカゴブリンが着地した瞬間おおむね負ける。
《龍神、ニコル・ボーラス》は、勝っている場に蓋をすることは得意だが、デッキトップにはおおむね負けるのだ。
4マナ除去枠として、《絶滅の契機》を採用した。パイオニア環境に存在する他の4マナ除去といえば、《煤の儀式》と《衰滅》だが一長一短。
環境に存在する除去したいクリーチャーといえば、ウーロ、ゴロス、オリカゴブリン、ハゾレト、《コーの踊り手》……そのどれも追放できる《絶滅の契機》は便利なカードである。
【ヒストリック版グリクシス②】
クリーチャー:13枚
2《死の飢えのタイタン、クロクサ》
3《砕骨の巨人》
2《機知の勇者》
3《破滅の龍、ニコル・ボーラス》
1《人質取り》
2《スカラベの神》
呪文:20枚
4《思考囲い》
3《無垢の血》
4《思考消去》
2《取り除き》
1《チェイナーの布告》
2《魔性》
2《絶滅の契機》
2《龍神、ニコル・ボーラス》
土地:26枚
4《湿った墓》
4《血の墓所》
4《蒸気孔》
3《龍髑髏の山頂》
2《水没した地下墓地》
1《硫黄の滝》
3《寓話の小道》
2《沼》
2《山》
1《島》
クリーチャー若干多めのグリクシス。
グリクシスが長年抱えていた弱点……2018年には顕在していたそれは、3ターン目の押し付けの弱さといえるだろう。
1ターン目:《思考囲い》
2ターン目:《思考消去》
4ターン目:《破滅の龍、ニコル・ボーラス》
5ターン目:《龍神、ニコル・ボーラス》
3ターン目のカードが物足りないのがグリクシスの悩みどころである。
アモンケットリマスターで再加入した《機知の勇者》はブロッカー性能に難があり、《覆いを割くもの、ナーセット》は土地が拾えないという弱点がある。
《正気泥棒》と《騒乱の死霊》は現代MTGについていけていけていない。
《ゴブリンの鎖回し》や《つむじ風の巨匠》で3マナ域を埋めていたのには、理由があるのだ。
《砕骨の巨人》はそんな3マナ域を埋める良カード。初手にあれば、2→3ターン目の動きをカバーしてくれるという、もう今更な話だが、現代MTGのパワーはすさまじい。
本当はマナと手札を増やすカードがいいのだが、そんな便利なカードはなかなか存在しない。
ちょっと惜しい。
土地26枚+《精神石》という構成は、デッキパワーの低下を招く。しかし、可能性はある。
ちなみに、5ターン目にプレイするカードは龍神様より《スカラベの神》の方がおおむね強いぞい。
【ヒストリック版グリクシス③】
クリーチャー:16枚
2《死の飢えのタイタン、クロクサ》
4《砕骨の巨人》
3《破滅の龍、ニコル・ボーラス》
2《再燃するフェニックス》
3《栄光をもたらすもの》
2《スカラベの神》
呪文:18枚
4《思考囲い》
3《チェイナーの布告》
3《思考消去》
2《精神石》
3《取り除き》
2《魔性》
1《王家の跡継ぎ》
土地:26枚
4《血の墓所》
4《湿った墓》
4《蒸気孔》
4《龍髑髏の山頂》
2《水没した地下墓地》
1《硫黄の滝》
2《寓話の小道》
2《沼》
2《山》
1《島》
ドラゴンとフェニックスってかっこよくない?
地上の盤面が固まりやすいなら飛行で突破すればええんや!
クリーチャー凄く多めの形。そのため、《無垢の血》を解雇して《チェイナーの布告》を。《アングラスの暴力》でもいいかもしれない。
《栄光をもたらすもの》はいいカードだよね。
かって【カラディシュ+アモンケット】期のスタンを制したラクドスミッドレンジ――の弱体化版だと考えていい。
どうせ4マナに届かず死ぬんだろうな。
そんなデッキで勝てるかどうかは知らない。
【青黒スカラベの神】
クリーチャー:7枚
3《機知の勇者》
1《人質取り》
3《スカラベの神》
呪文:26枚
4《思考囲い》
3《無垢の血》
4《思考消去》
3《検閲》
2《中略》
3《取り除き》
2《神秘の論争》
2《至高の意志》
2《絶滅の契機》
1《悪夢の詩神、アショク》
土地:26枚
4《湿った墓》
4《水没した地下墓地》
2《腐臭の池》
3《寓話の小道》
4《廃墟の池》
1《ヴァントレス城》
4《沼》
4《島》
2018年のスタンに細々とあった青黒ミッドレンジ。各種エネルギーとラムナプレッドに果敢に挑んでいたぞ。
当時はエネルギーボブを多めにとるミッドレンジタイプが主流だったが、《検閲》を含むカウンター呪文を多めに採用することで《ゴブリンの鎖回し》に対抗するタイプが存在した。
環境末期も末期だったけどね。
そのリスペクト作。
《スカラベの神》使いたいやん?
ボーラス様を使用しておらず、そもそもグリクシスカラーでもないこのデッキをこの記事で取り上げたのには大事な理由がある。
このデッキのキーカードである《スカラベの神》は、ボーラスの手によって名前を奪われたアモンケット八柱神の一人だ。
グリクシス=ボーラスであり、ボーラス様配下である《スカラベの神》を使用した青黒ミッドレンジもグリク略。
フレーバー感大事。
そういうの大切にしないと、うちのブログも落ちるばかりだし?
【青黒スカラベの神with猫かまど】
クリーチャー:17枚
4《大釜の使い魔》
3《才気ある霊気体》
2《真夜中の死神》
2《機知の勇者》
2《残忍な騎士》
2《人質取り》
2《スカラベの神》
呪文:17枚
4《魔女のかまど》
4《思考囲い》
4《思考消去》
2《取り除き》
2《ヴラスカの侮辱》
土地:26枚
4《湿った墓》
4《水没した地下墓地》
2《寓話の小道》
4《廃墟の地》
1《ロークスワイン城》
1《ヴァントレス城》
7《沼》
3《島》
《廃墟の地》って強いよね。
猫かまどでクリーチャーデッキに頑張る……頑張れるのか?
デッキパワーがどうみても足りてない。今のスタンに勝てないレベル。
禁止カード使ってるけどなー。
弱そう。
とはいえ、偉大なる《スカラベの神》――ボーラス様以上のカードパワーを持つグリクシスの僕をつかっているので、きっとグリクシス。
【グリクシス門】
クリーチャー:26枚
4《魔女の使い魔》
4《縫い師への供給者》
3《忘れられた神々の僧侶》
2《戦慄衆の解体者》
3《悲哀の徘徊者》
2《機知の勇者》
4《湖に潜む者、エムリー》
4《騒乱の悪魔》
呪文:10枚
4《魔女のかまど》
4《来世への門》
2《王神の贈り物》
土地:24枚
4《湿った墓》
4《血の墓所》
4《蒸気孔》
3《竜髑髏の山頂》
3《水没した地下墓地》
2《寓話の小道》
2《沼》
1《島》
1《山》
ギフトパッケージの復活は、世のギフト好きを歓喜させた。
青黒、赤黒と、様々なカラーリングが試されているが、現状大きな成果は上げていないようだ。
とはいえ、グリクシスカラーに《王神、ニコル・ボーラス》からの贈り物を使用したデッキだ。
その力は侮れない。
惜しむらくは、《王神の贈り物》で釣りたいクリーチャーがいないことだろう。
《裏切り者の工作員》の不在が、こんなところで痛手となるなんて。
【4色グリクシス】
クリーチャー:13枚
3《願いのフェイ》
4《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
4《破滅の龍、ニコル・ボーラス》
2《スカラベの神》
呪文:20枚
4《思考囲い》
3《無垢の血》
4《思考消去》
3《取り除き》
3《絶滅の契機》
3《龍神、ニコル・ボーラス》
土地:27枚
素晴らしい土地配分
サイドボード
1《墓掘りの檻》
1《悪性の疫病》
13なんやかんや
3ターン目にウーロ唱えればええんやろ?
《願いのフェイ》で原野とゴブリンにささやかな抵抗をしよう。
《時を解すもの、テフェリー》をいれた4色グリクシスなるデッキが存在したのだ。緑を足しても問題ないだろう。
かってダークジェスカイが存在した事実を顧みれば、グリーングリクシスとでもいうべき存在。
グリクシスはMTGだ(錯乱)
『終わりに』
正直、今のヒストリック環境は、グリクシスカラーにとっては逆風の時代である。
再生デッキはBANされたが、原野とゴブリンという二大巨頭が生き残っており、どちらも不得手なデッキだ。原野というカードはコントロール殺しだしね。
禁止されてもおかしくないパワーカード、《裏切り者の工作員》が禁止されて《死者の原野》が生き残っている理由が理解できない。
とはいえ、せっかく《思考囲い》が参入したので、色々と擦ってみたい今日この頃。
最終的にはライフが痛いという当たり前の結論になるんだろうけど(パイオニアのグリクシスはそんな感じ)、それまでは素知らぬ顔で遊んでいきませう。
8/22追記
【お知らせ】8月24日(日本時間該当日深夜)に最新の禁止制限告知が行われます。対象となるフォーマットはヒストリックです。 #mtgjp https://t.co/Cj3oGOI4E2— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) August 21, 2020
ウィザーズは最高の企業だぜ!(ヤケクソ)
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