2020年4月23日木曜日

MTG3――時代は相棒! ルールスデッキ集

『イコリア:巨獣の棲み処』。

日本の相棒といえばこのドラマですね

ゴジラコラボという超目玉を引っさげた期待の新製品。

セット
としての目玉は変容、そして相棒システムだ。

ここ数セット――『灯争大戦』の常在能力持ちPW、『基本セット2020』の《夏の帳》、『モダンホライゾン』におけるホガークを筆頭とした圧倒的パワーカード群、『エルドレイン』の《むかしむかし》に鹿野郎、《テーロス》の二大タイタンに《タッサの信託者》と、MTGという世界は新セットが発売されるたびに大きく揺さぶられてきた。

ウィザーズが競技対応チームを大々的に発表されてからというもの、環境がぶっ壊れること多々であり、全く機能していないが大丈夫かこれという感じだったが、今回の『イコリア:巨獣の棲み処』はどうだろうか?

大前提として、発売直後の新セットが、様々な環境で即活躍することは難しいという点は考慮しておきたい。

MTGには長い歴史があり、新参者が簡単に活躍できるほど容易なゲームではないのだ。鳴り物入りの新システムが日の目を見ないことも珍しくはない。

神ジェイスを越えたと称される最強PW《王冠泥棒、オーコ》でも、即座に下環境を圧巻したわけではなかった。

さて、イコリアは!?







……ダメじゃねぇか!

黒歴史な相棒









MTG最凶の猫かもしれない













まず頭一つ抜けたのは《夢の巣のルールス》だろう。

ブロール秒殺な《呪文追い、ルーツリー》やバグで禁止された《深海の破滅、ジャイルーダ》、とりあえずモダン人間に入っている《湧き出る源、ジェガンサ》、ブリンクしまくり《空を放浪する者、ヨ―リオン》etcetc。

相棒というシステム自体がMTGの根幹を覆すものであり、入れ得カードやデッキの根幹カードのオンパレードで全部壊れているといえば壊れているのだが、全フォーマットで真っ先に活躍し始めたのがこの白黒の猫だ。

その採用デッキは!

【ラクドスサクリファイス――スタン】

クリーチャー:28枚
4《大釜の使い魔》
4《どぶ骨》
4《鋸刃蠍》
4《戦慄衆の解体者》
4《死の飢えのタイタン、クロクサ》
4《忘れられた神々の僧侶》
4《リックス・マーディの歓楽者》

呪文:8枚
4《初子さらい》
4《魔女のかまど》

土地:24枚
4《血の墓所》
4《寓話の小道》
2《ロークスワイン城》
8《沼》 
6《山》

サイドボード
1《夢の巣のルールス》
3《エンバレスの盾割り》 
2《苦悶の悔恨》
2《ぬかるみの捕縛》
2《害悪な掌握》
3《反逆の行動》
2《ファリカの献杯》



【タカオーラ――パイオニア】

クリーチャー:18枚
4《命の恵みのアルセイド》
2《騒音のアフィミア》
4《恩寵の重装歩兵》
4《憎しみの幻霊》
4《上級建設官、スラム》

呪文: 24枚
4《結束のカルトーシュ》
4《天上の鎧》
4《グリフの加護》
4《歩哨の目》
4《ケイラメトラの恩恵》
4《きらきらするすべて》

土地:18枚
4《コイロスの洞窟》
4《秘密の中庭》
4《神無き祭殿》
6《平地》

サイドボード
1《夢の巣のルールス》
2《死の重み》
4《浄光の使徒》
4《脳蛆》
2《静寂をもたらすもの》
2《高名な弁護士、トミク》



【バーン――モダン】

クリーチャー:14枚
4《僧院の速槍》
4《ゴブリンの先達》
2《渋面の溶岩使い》
4《大歓楽の幻霊》

呪文:26枚
4《ミシュラのガラクタ》
4《溶岩の撃ち込み》
4《稲妻》
4《批判家刺殺》
4《ボロスの魔除け》
4《焼尽の猛火》
2《稲妻のらせん》

土地:20枚
2《乾燥台地》
2《沸騰する小湖》
1《血染めのぬかるみ》
1《樹木茂る山麓》
4《灼陽大峡谷》
1《焦熱島嶼域》
4《感動的な眺望所》
3《山》
2《聖なる鋳造所》

サイドボード
1《夢の巣のルールス》
2《トーモッドの墓所》
2《流刑への道》
4《頭蓋割り》
3《コーの火歩き》
2《粉々》
1《灼熱の血》



【デルバー――レガシー】

クリーチャー:12枚
4《秘密を掘り下げる者》
4《戦慄衆の秘儀術師》
3《翻弄する魔道士》 
1《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》

呪文:29枚
4《ミシュラのガラクタ》
4《思案》
4《渦まく知識》
4《稲妻》
2《剣を鍬に》 
1《定業》
4《目くらまし》
2《否定の力》
4《意志の力》

土地:19枚
4《溢れかえる岸辺》
4《沸騰する小湖》
1《カラカス》
1《Plateau》
3《Tundra》
3《Volcanic Island》
3《不毛の大地》

サイドボード
1《夢の巣のルールス》
2《トーモッドの墓所》
2《仕組まれた爆薬》
2《剣を鍬に》
3《紅蓮破》
2《浄化の印章》
2《冬の宝珠》
1《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》



【ストーム――ヴィンテージ】

クリーチャー:3枚
2《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
1《瞬唱の魔道士》

呪文:44枚
4《ミシュラのガラクタ》
3《オパールのモックス》
1《Black Lotus》
1《水蓮の花びら》
1《魔力の墓所》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
3《Mystic Remora》
1《ギタクシア派の調査》
1《撤廃》
1《魔力の櫃》
1《多用途の鍵》 
1《師範の占い独楽》
1《太陽の指輪》
1《Ancestral Recall》
1《渦まく知識》
1《狼狽の嵐》
1《精神的つまづき》
1《Time Vault》 
1《商人の巻物》
1《悪魔の教示者》 
1《Time Walk》
1《ハーキルの召還術》
1《ヨーグモスの意志》
4《逆説的な結果》
1《苦悶の触手》
4《意志の力》
1《時を越えた探索》

土地:13枚
2《霧深い雨林》
2《沸騰する小湖》
1《汚染された三角州》
1《溢れかえる岸辺》
1《トレイリアのアカデミー》
2《Tundra》
2《Underground Sea》
1《カラカス》
1《島》

サイドボード
1《夢の巣のルールス》
3《トーモッドの墓所》
1《仕組まれた爆薬》
1《狼狽の嵐》
1《虚無の呪文爆弾》
1《退去の印章》
3《ハーキルの召還術》
1《天秤》
1《浄化の印章》
1《剣を鍬に》
1《精神壊しの罠》

……全フォーマットいかれたなぁ(白目)。

これが新たな世界――MTG3か。

ガイガンは相棒に最適です

《王冠泥棒、オーコ》を凌ぐぶっ壊れカードってことか!(尚10枚あるよ)

既に2枚禁止されてるからね!




ここが問題だよ、相棒システムー。

・初手に絶対ある。

MTGは数字――確率のゲームだ。そのランダム性ゆえに、個々のデッキが持つ戦略の再現性が重要といえる。毎ゲーム、キーカードを引けるデッキは強いといえる。

《弧光のフェニックス》を毎ゲーム2枚以上引けるなら、イゼットフェニックスは最強である。

ドローカードを積んだり類似したカードを投入して、MTGプレイヤーは確率を上げようとしているのだ。

なのに、相棒は絶対初手にある。しかもキーカード。ふざけてる。

コンボパーツが初手にあれば、それ強いって。

実質教示者。

酷い。

糞。

・手札が実質8枚

だから、MTGで重要なアドバンテージという概念をだね。

MTGというゲームにおいて、アドバンテージがどれだけ強いかは、言うまでもないだろう。

初手7枚VS初手7枚+相棒。

どっちが勝ちそうだろうか?

ちなみに、サイドボードを無暗に潰すから弱いという意見をみた。おそらくモダン人間を念頭に置いていると思われるが、相棒を入れない時点でMTG3に乗り遅れているため、何かしら入れた方がいい。

だって、相棒抜きのデッキ、相棒入りのデッキに負けるもの。初手足りてないからね。

端的に言って糞。

・マリガンに強い

相棒というシステム上、常にハンドは+1。裏を返せばマリガンに強くなる。

ノーマリVS1マリでも、相棒がサイドにいれば実質一緒――確定している分、強いまである。

マリガン回数を重ねても、ハンド負けしない。そもそも――例えば、ガイガンであればマリガンが肯定される。

戦略がぶれないのだ。相棒めがけて手札を選択すればいい。

ロンドンマリガンがそれに拍車をかける。





・手札破壊に強い

サイドボードにあるからね。ひどい話やでほんまに。《思考囲い》が効かないってどうなってるねん。

・《夢の巣のルールス》が強い理由って?

いっぱいある(ふんわり)。

少しまじめに書くと、まずは縛りの緩さだろう。相棒を選択するにはデッキに縛りが存在する。

《夢の巣のルールス》を相棒にするには、デッキ内に2マナ以下のパーマネントしか選択できない。

それは、下の環境にいけばいくほど、緩い縛りだ。MTGの歴史は四半世紀以上。強力な2マナ以下のパーマネントなどいくらでも存在する。かのブラックロータスだって2マナ以下なのだ。




そして、この白黒の相棒は、容易にアドバンテージを稼ぐことが可能だ。

場に出せば、歴代有数の2マナ以下パーマネントを即座にプレイ可能となる。

除去される前に1プレイ――どれだけアドバンテージという話だ。


馬鹿げたカードであり、メインに4枚積まれる可能性だってある。

単純に、このカードは強い。それでいて、相棒。強い。

ここまでつらつらと書いてきたが、《夢の巣のルールス》は禁止しにくいだろう。

それは、ゲーム性やカードの強さ以外の要因だ。

そう、イコリアは、アジア圏以外ではまだ発売されていないのだ。

発売前に禁止カード出したら、ただでさえ少ない売り上げがえらいこっちゃになってしまうし、訴訟のリスクだって存在する。

スタン以下の大会結果は、あくまで旧世代のMOベース。テーブルトップの大規模大会が存在しない以上、主流ではないと抗弁できる点も大きいだろう。

……ウィザーズは、MOでの勝率ベースをよく禁止カードで話題にするけどね。

何にせよ、with相棒の時代を、我々は生きなければならない。

我々が知っているMTGは消滅したといえる。ここまで劇的に変わるものかと感じるが、現実世界同様、MTGにも時代のうねりがきてしまったのだ。


相棒システムの考案者は社長室に送り込むべきだが、何とかうまくやっていくしかないだろう。

とりあえず、《夢の巣のルールス》は禁止で(手の平クルフィックスー)。











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