2018年2月7日水曜日

プロツアーイクサランの相克とホロウワン



2月2-4日、スペイン・ビルバオにて開催されたプロツアーイクサランの相克。



エルドラージの海より2年ぶりのモダンフォーマットでの開催、優勝者はランタンコントロールを使用したLuis Salvatto選手でした。



アルゼンチン出身のゴールドプロ。現在、晴れる屋に所属し、Hareruya Latinに参戦しています。

『プロになるまでの旅。プロとして過ごす日々に』                                  ~HARERUYAより~ 
にて、プロプレイヤーになるまでの、またプロプレイヤーとしての経歴が詳しく記されています。

使用デッキはランタンコントロール。神ジェイス1枚を、60枚のデッキを使用して再現しようとする、モダン随一(唯一?)のロックデッキです。


注目を集めたデッキはいくつかあります。優勝したランタンコントロール。モダンフォーマットで無敗を成し遂げベスト8入りを果たした赤青パイロマンサー。

しかし、このトーナメントにおいて、もっとも私の目を引いたのは、チームMUSASHI謹製、行弘賢選手をベスト4入りに導いた【赤黒ホロウワン】です。
【メインボード】
4 《炎刃の達人
4 《恐血鬼
4 《炎跡のフェニックス
4 《虚ろな者
4 《通りの悪霊
1 《黄金牙、タシグル
3 《グルマグのアンコウ


-クリーチャー(24)-
4 《燃え立つ調査
4 《信仰無き物あさり
4 《稲妻
4 《ゴブリンの知識
2 《集団的蛮行


-呪文(18)-
1 《
2 《
3 《血の墓所
1 《踏み鳴らされる地
4 《血染めのぬかるみ
2 《樹木茂る山麓
1 《乾燥台地
1 《沸騰する小湖
3 《黒割れの崖


-土地(18)-

【サイドボード】


MOでは流行り始めていましたが、その戦略上、プロが嫌うだろうデッキ。チームとしての構築は、
【PTRIX】1日目モダンラウンドまとめ【Day1】
【PTRIX】2日目モダンラウンドまとめ~〈MUSASHI〉流の勝ち方~【Day2】

にまとめられています。かっては【Hollow Vine】と呼ばれ、破滅の刻発売後よりその姿を見せ始めた。当時は、墓地から何度でも戻ってくる復讐蔦をキーカードとしたジャンドカラーの3色デッキでしたが、徐々にブラッシュアップ、現在は赤黒の2色にまとめられています。その動きは山本選手曰く、「マジックザギャザリング2」。お互いにディスカードを強要したうえで、ディスカードと墓地をアドバンテージ源とする構築により、自身は6割5分程度上振れることができるとのことです(3割5分は自身が破滅するそうです)

いわば、若干自分が優位な丁半博打を強いるという、イカサマ極まりないデッキです。墓地をリソースとして扱うドレッジには不利ですが、その他のデッキには様々な角度で攻めることで五分にもっていけそうです。

また、このデッキは、極端に墓地に依存しているわけではありません。ディスカードが重要なのであり、いくら墓地対策を行っても、




キーカードであるこの人にはあまり意味をなさないのです。

プロツアーという、MTG界最高峰の技術の持ち主が集う場において、運を試す……かつ、相手にとっては結構なイカサマ博打を強いるこのデッキは、見事な成績を収めています。(会場内にて使用者は6人。チームMUSASHIは行弘選手・八十岡選手・山本選手・覚前選手の4名が使用。今回のプロツアーで、チームランキング2位に浮上しました)
MOでは流行の兆しを見せていましたが、プロが嫌うランダム性を内包しているため、競技レベルでは研究が進んでいなかったのではと八十岡選手は分析しています。
そんなデッキに気づき、この大一番で選択したチームMUSASHIの勝利といえるでしょう。

GP京都において、このデッキを持ち込むには勇気がいります。ランダム性のあるMTGというゲームにおいて、運の要素を省き、確実なプレイをすることは、勝利への近道とされています。しかし、そのランダム性を強引に味方につけようとする動きは、もしかしたらそこかしこでディスカード合戦を強いることになるかもしれません。

もうすぐ、禁止改定。個人の感想では、新たな禁止カードの制定はないように思えます。現状、突出したデッキはないのではないでしょうか。

となれば、あとはモダン構築に勤しむだけです。

GP京都では、モダンを担当しています。その前には、モダン神挑戦者決定戦が控えています。現在の所有デッキは、アブザンカンパニー。恐らく、カンパニー系のデッキを使用すると思いますが、その戦略はバントにエルフ、4Cにランデス内包と、無数にあります。どのような形を使用するのが適切なのか、今から楽しみです。

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